トリガーフィッシュ(スマートコンタクト)認証取り下げ?

さて,本日は再度スマートコンタクトに関して。
トリガーフィッシュ1昨年8月に「医療用スマートレンズ」についてご紹介しましたが,7/10付けで早くもその第一弾が国内で承認されました!AlconでもGoogleでもなく,大手コンタクトメーカーのシードです。
スイスの医療機器メーカーSENSIMED社が製造する24時間角膜曲率変動モニター機器「トリガーフィッシュ」システムは,2010年に欧州でCEマークを取得済みです。これを国内ではシードが販売することになりますが,その前段階で医療器具としての承認を得たわけです。トリガーフィッシュ2
コンタクトレンズに内蔵されたICtip内臓センサーにて、眼圧の変化から誘発される角膜曲率の動きを24時間モニター可能であり,アンテナとデータケーブル、レコーダーで構成される受信機を利用するとのことです。

眼圧には誰しも「日内変動」があり,特に進行性の緑内障の患者さんにとってはそれを把握できることは非常に有益です。1泊入院して深夜に2時間毎に眼圧を測定する,という作業を行っていた時代もありましたが,実際には患者・医療サイドの双方にとってかなりの負担となり,患者全員に行う事は非現実的です。このシステムにより24時間自動モニターによる観察が可能となれば,どれだけ有益かは考えるまでもありませんね。今後早急に臨床で使用できることが期待されます。

ところが…喜びも束の間…7/18付けで,シードはこの国内認証を取り下げたとのこと。何か重大な不具合が見つかったのでしょうか…とても残念です。

いずれにせよ,当然ながらこのレンズには屈折矯正機能はなく,以前に紹介した血糖測定と同様に生体モニタリングのみですが,老眼克服の屈折矯正機能を有したコンタクトレンズの登場が待たれます。

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