今週は4日連続手術。内容も外眼・緑内障濾過手術〜レーシック〜白内障手術と多岐にわたりちょっと疲れましたが、皆さん術後経過良好で何よりです!
さて本日は、緑内障発作の治療について。
角膜裏面と水晶体前面の空間を「前房」といいますが、この前房の深さにはかなりの個人差があります。一般に、近視が強い場合は深く、遠視が強い場合は浅い傾向があります。元々前房が浅い(隅角が狭い)方が、感情的ストレス・低照明下での近見作業・服薬などにて軽度の散瞳状態となり、眼圧が急激に上昇する場合(急性緑内障発作)があります。
発作を起こすと、激しい眼痛・頭痛・視力低下・吐き気・嘔吐などの症状を呈し、夜間救急外来を受診するケースもよく見受けられます。受診せずにそのまま放置すると、永続的な視力障害を呈する場合も少なくありません。
緑内障発作が明らかな場合、すぐに眼圧を下げるために、投薬を併用しつつ非観血的レーザー虹彩切開術を早急に施行します。
片眼に発作を起こした場合、非発作のもう片眼(僚眼)は発作予防のために同レーザー施術を施します。
近年では、このレーザー施術の代わりに、少なくとも非発作眼では、白内障手術(水晶体再建術)を第一選択とすることも一般的になりつつあります。厚い水晶体を薄い眼内レンズに交換することで前房が深くなり、発作が解除あるいは予防可能となります。
将来的な白内障手術の時期を早めることで緑内障発作も予防可能となるため、まさに一石二鳥といえるでしょう。