無症状者の前房内コロナウイルス

先々週は,ICL近視矯正手術×4〜水晶体再建術(緑内障エクスプレス術後を含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
先週は,レーシック硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術
今週は,硝子体茎離断術(PDR-VH)〜水晶体再建術眼瞼下垂手術〜出張手術(鉾田病院)。
皆さん経過良好です。

マイアミのBascom Palmer眼研究所から発表された興味深い論文があります(AJO5月号)。
コロナ禍の昨年,全身症状なし且つ鼻腔内抗原検査陰性の前眼部手術患者 31 名において,手術開始直後に前房水を採取しreal time RT-PCR にて解析したところ,6 名(19.4%)SARS-CoV-2 viral RNA 陽性が判明。その6名全員が,その後1年間の観察において全くの無症状だったとのこと。
眼内(前房)は特殊な免疫特権(immune privilege)下にあるが故と考えられる,非常に貴重な報告です。

米国内の2020年感染拡大の最中でのデータなので,そのまま本邦には当てはまりません。
また,一般的な白内障手術の切開創幅は2.0〜2.2mm程度であり,手術中に漏れた前房水がエアロゾル化してオペ室内での二次感染リスクが上がるような心配はないものと推察されます。
にしても,無症状者での眼内コロナウイルスRNAの証明は,時節柄インパクト大ですね。
他国での追試報告が期待されます。

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