手術学会@京都

先週火曜は出張白内障手術(笠間眼科)。
木金曜は緑内障手術(線維柱帯切除術)〜水晶体再建術(EDOF・トーリックを含む)。
今週火曜は出張白内障手術(鉾田病院)。
水曜はレーシック硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離)〜水晶体再建術眼瞼下垂手術。
木曜は硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術(トーリックを含む)。

今週末は第41回眼科手術学会総会出席にて京都へ。
今週は関東でも雪。1月の京都ですから覚悟はしていましたが、やはり寒いっ…。

眼科手術学会は眼科手術全般のup to dateな話題を提供してくれる由緒正しき学会です。昨今の日眼との政治闘争にてここ数年は出席者が減少傾向にあり、今回もやや空いていました。日眼や臨眼は激混みすぎて、立ち見してまで拝聴するほどの内容じゃなかったなあ…と後で思ったりすることもしばしば。
体は1つしかないので、1日で吸収できる量は所詮決まってます。ちょっと空いていた方が疲れないので、私的意見としてはむしろこのくらいの方がちょうどいいかも(^^;)。

興味深かった内容の一部について。

iStent:
・徐々に広まりつつあるものの、当初の予定よりあまり普及していない。暫定的な保険点数の影響もあり、2018年度の保険診療点数改定にて正規の点数が加わる見込み。
・ Hookによる繊維柱帯切開術と比較し、術後眼圧降下が不良との報告あり。ただし、術翌日の前房出血などの合併症がないのは非常に有利な点。長期的にゆっくりと眼圧降下が得られてくる症例もある。

上眼瞼形成術:
・ 眼瞼皮膚弛緩症手術の際、通常の眼瞼縁切開では外側にやや弛みが残るが、重瞼となるため傷跡の瘢痕は問題ない。眉毛下切開では外側の弛みは残りにくいが、傷跡の瘢痕が目立つことも多く要注意。
・ 瞼の浮腫みの原因は筋肉の脂肪変性。治療は眼輪筋前後面の脂肪を剥離除去。
・ 眉毛下垂(顔面神経麻痺後)では眉毛上皮膚切除が有効だが、眼窩上神経内側の浅層枝の損傷に要注意。

黄斑円孔でのInverted ILM Flap Technique(内境界膜翻転法):
・ 非閉鎖黄斑円孔に対する再手術時にILM free flapを一時留置させる手段として、ビスコートの網膜面塗布は有効。円孔に埋め込んだら、PFCLにて延ばすとさらに有効。
・ 水晶体前囊・後囊の自己移植は、将来的に水晶体上皮細胞増殖の可能性から、推奨されない。
・ ILMでなく、円孔底に対する網膜自己移植の臨床研究も進行中だが、長期予後は全く不明。

EDOFについての詳細はまた明日。

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