投稿者「satoublogadmin」のアーカイブ

コロナワクチンと角膜移植後拒絶反応

先週は,レーシック×6〜iStent inject 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(連続焦点トーリックを含む)〜出張手術(笠間眼科)。
今週は,ICL近視矯正手術エクスプレス挿入術(落屑緑内障)〜水晶体再建術(IOL脱臼・緑内障術後・連続焦点を含む)〜前後転術(内斜視)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です。

COVID-19の眼症状として当初から結膜炎が指摘されていますが,これは自然治癒するので心配ありません。一方,角膜移植術後においてCOVID-19に伴う拒絶反応の報告がなされ,移植術後症例にてこれを見逃さないことは非常に重要です。
ウイルスに対する免疫応答により移植後拒絶反応が惹起されるということは,ワクチン接種後でも同様な状況が危惧されます。事実,頻度として非常に稀ではあるものの,帯状疱疹ワクチンやインフルエンザワクチン後に角膜移植後拒絶反応を惹起したとの報告があります。

新型コロナワクチンにおいては,mRNAワクチンに伴う角膜移植後拒絶反応の海外報告がすでに3報あり,投薬にて拒絶反応は沈静化し,再移植を要するほど重症には至らなかったとのこと。RNAワクチンの有効性の表れと考えられ,今後もさらに報告数が増えるのは間違いないでしょう。
角膜移植に限らず,全身の臓器移植後の患者さんには同様のリスクがありますが,日本移植学会の現時点でのワクチン接種方針は「臓器移植患者がCOVID-19を発症した場合の予後は不良であるため,予防が重要であることからワクチン接種を推奨」となっています。

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無症状者の前房内コロナウイルス

先々週は,ICL近視矯正手術×4〜水晶体再建術(緑内障エクスプレス術後を含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
先週は,レーシック硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術
今週は,硝子体茎離断術(PDR-VH)〜水晶体再建術眼瞼下垂手術〜出張手術(鉾田病院)。
皆さん経過良好です。

マイアミのBascom Palmer眼研究所から発表された興味深い論文があります(AJO5月号)。
コロナ禍の昨年,全身症状なし且つ鼻腔内抗原検査陰性の前眼部手術患者 31 名において,手術開始直後に前房水を採取しreal time RT-PCR にて解析したところ,6 名(19.4%)SARS-CoV-2 viral RNA 陽性が判明。その6名全員が,その後1年間の観察において全くの無症状だったとのこと。
眼内(前房)は特殊な免疫特権(immune privilege)下にあるが故と考えられる,非常に貴重な報告です。

米国内の2020年感染拡大の最中でのデータなので,そのまま本邦には当てはまりません。
また,一般的な白内障手術の切開創幅は2.0〜2.2mm程度であり,手術中に漏れた前房水がエアロゾル化してオペ室内での二次感染リスクが上がるような心配はないものと推察されます。
にしても,無症状者での眼内コロナウイルスRNAの証明は,時節柄インパクト大ですね。
他国での追試報告が期待されます。

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第36回JSCRS学術総会

先週は,ICL近視矯正手術×4〜iStent inject 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(両眼同日・連続焦点IOL含む)。
今週は,レーシック×6〜PTK治療的表層角膜切除術(帯状角膜変性)〜iStent inject 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(両眼同日を含む)〜翼状片切除術〜出張手術(笠間眼科)。
皆さん経過良好です。

本年6/25〜6/27に開催される第36回JSCRS学術総会にて,教育セミナー「白内障周術期の抗菌薬使用」の演者を担当します。


「白内障周術期抗菌薬使用の現状」
JSCRS年次surveyによる抗菌薬の術前点眼開始日・術後点眼期間・術後内服期間・術後静脈内投与期間・術終了時前房内灌流,さらにはヨード製剤などのデータ推移および各種クロス集計の結果から,一部海外と比較しつつ,国内における白内障周術期抗菌薬使用の現状を解説する予定です。

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学校健診(眼科検診)

先週は,レーシックエクスプレス挿入術(開放隅角緑内障)〜水晶体再建術(連続焦点トーリックを含む)〜前後転術(恒常性外斜視)〜結膜囊部分形成術(眼窩脂肪脱)。
今週は,ICL近視矯正手術硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離)〜水晶体再建術(LASIK後・連続焦点トーリックを含む)〜出張手術(笠間眼科)。
皆さん経過良好です。

今年も学校健診(眼科検診)の季節。昨年は延期し秋に行いましたが,今年はwithコロナで当初の予定通り。計6回の出張で,計2,600名の児童を診察する予定です。1回あたり約430名…さすがにお昼休みだけでは難しいので,火曜休診日にも。

開業以前は,水戸市内の伝統的な某公立小学校をはじめ計3校の学校医を担当していました。県庁所在地にもかかわらず眼科開業医が少ないために,勤務医も学校医を担当していたわけです。学校によって校風は大きく異なりますが,この某小学校の児童達の挨拶は完璧で,毎年3月には卒業生から花束が届きました。校長としてそこで定年を迎えられれば県内の教育職として大変栄誉だと耳にしたことがあり,それも頷ける素晴らしい小学校です。

つくば市の人口増加に伴い,3年前に公立小中一貫校が3校開校したばかりですが,2年後に新たに小学校が2校,3年後にもまた新たに小学校が1校開校するそうです。
基本は挨拶! いい学校となるよう期待したいですね。

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Intel製 視覚障害者用AIデバイス

先週は,ICL近視矯正術×3〜水晶体再建術(連続焦点を含む)〜前後転術×2(恒常性外斜視)〜出張手術(笠間眼科)。
今週は,レーシック×6〜PTK治療的表層角膜切除術×2(顆粒状角膜変性)〜水晶体再建術(連続焦点を含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です。

今週は1回目の新型コロナワクチンを接種し,特に副反応はなし。2回目接種後の副反応が心配ですが,接種当日・翌日ともにICL近視矯正・白内障手術(連続焦点)・硝子体手術(PDR)など枠一杯で予定されており…..頑張るしかないですね!

本日は,Intel製 視覚障害者用AIデバイスについて。
ベストジャケットに4Kカメラが内蔵され,バックパックにはIntel®AIホストコンピューティングユニットシステム。交通標識・ぶら下がっている木の枝・横断歩道・段差(縁石・階段),さらには移動するオブジェクト(車・歩行者)なども認識され,「◎時方向に車」などの音声ガイダンス機能が搭載。


このままでも需要はあるでしょうが,カメラをジャケットでなくサングラスに,バックパックの小型化,配線の無線化などで,よりスマートになりそうですね。
車の完全自動運転が現実的となった今日,視覚障害者用AIデバイスの進化も期待されます。

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