今週はレーシック〜眼瞼下垂手術〜白内障手術〜硝子体手術と多岐にわたり執刀しましたが、皆さん非常に経過良好で何よりです。
本日は最新の眼内レンズ(IOL)について。先進医療適応の白内障手術で用いられるIOLは、正確に言えば2重焦点(遠方と近方)のIOLです。実際にさほど自覚する方は多くありませんが、理論上は中間距離(2~3m先)はぼやけて見えることになります。
IOLの特性上、焦点を増やせばそれだけエネルギーロスとなり、つまりはコントラスト感度が低下することになります。近年、エネルギーロスが現行の2重焦点IOLと同等であるにもかかわらず中間距離の視力も良好な3焦点IOL(Trifocal IOL)がヨーロッパで発売され、日本でも広まりつつあります(Finevision, physIOL社)。
JSCRS総会でのこのIOLに関するセミナー会場はほぼ満席であり、注目度の高さが窺えます。
術後炎症惹起の問題にて、国内で最も使用されていたAlcon社製ReSTOR(レストア)は2015年4月中旬以降使用不可の状況です。そのため、厚労省未承認にもかかわらず、このような他の多焦点IOLにさらなる注目が集まっています。
日本で承認されている乱視矯正機能付き多焦点IOL(多焦点トーリックIOL)は、唯一ReSTOR Toric(レストアトーリック)だけです。よって乱視矯正も必要で多焦点IOLを希望の患者さんには、現状では未認可のIOLを海外から輸入することになります。このFinevisionにはトーリックIOLもline upされており、患者満足度も非常に優れているようなので、当院でも近々に使用開始することにしました。ご報告まで!
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