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最大シェア多焦点IOLの国内出荷停止

眼科最大手(Alcon社)の多焦点眼内レンズ(ReSTOR:レストア)は、国内のみならず国際的に最大シェアを誇る多焦点IOLですが、2015/4/13〜出荷停止および使用中止となりました。ReSTORを用いた白内障手術症例において、術後眼内炎症例が年明けから15例報告されたため、因果関係が明らかになるまで当面の期間出荷が停止されるとのこと。現時点では明確な事は言えませんが、無菌性眼内炎が最も疑われます。
再出荷がどのくらい先になるかは不明瞭であるため、当面は他社製の多焦点IOLに切り替えることになりますが、当院ではいずれにせよ先進医療であることに相違ありません。

以前、HOYA社の単焦点IOLの一部による眼内炎発症リスクの上昇が明らかとなり、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の指導に基づき、2013年2月に対象IOLの自主回収が行われました。原因は加工途中の部品にあることが判明し、原因を除去した後に数千例におよぶ前向き調査が行われ、安全性が確認された後に再出荷にいたっています。この間、実に約1年半近くの出荷停止となりました。

Alcon社は眼科医からの信頼も厚い世界的な業界トップメーカーですから、不具合原因は早急に究明解決されることでしょう。速やかな再出荷を期待しつつ今後の推移を見守りたいと思います。

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糖尿病黄斑浮腫(DME)

週末に「DME治療の実例」と題した依頼講演を行ってきました。糖尿病を放置したり血糖コントロールが不良な期間が長引くと、網膜の中心(黄斑)が浮腫んで、視力が低下してしまう場合があります。DME(糖尿病黄斑浮腫)の治療方法として、①増殖糖尿病網膜症治療の基本である汎網膜光凝固PRP)、②トリアムシノロンのテノン囊下注射(STTA)、③抗VEGF薬の硝子体内注入(IVR or IVA)、④トリアムシノロンの硝子体内注入(IVTA)、⑤内境界膜剥離併用硝子体手術(ILM peeling)、そして⑥黄斑部マイクロパルス閾値下レーザー、が挙げられます。これらを上手に組み合わせて黄斑浮腫を軽減させ、低下した視力を回復させます。

①はDME治療の基本であり、まず行うべき治療です。ただし、網膜中心近く(黄斑部)への照射は有害となる可能性が高いため、網膜の中心付近への照射は避けるのが通例です。そこでまずトライするのが②です。眼球外へのステロイド注射にて安全性も高いのですが、網膜に間接的に効果を発揮させることになり、十分な効果が得られない場合もあります。

②で効果不十分な場合は、③ルセンティスもしくはアイリーアという薬剤を用いての眼内注射を施行します。薬品代は高額ですが、その分高い効果が得られます。スライド1

④のステロイドの眼内注入も非常に有効ですが、複数回の注射にての高率に白内障を引き起こすのが難点です。薬品代は③と比較すると安価なため、白内障手術をすでに白内障手術が済んでいる場合にはお勧めな治療法です。

③や④を施しても、すぐに再発してしまう症例もあります。そのような症例は網膜の前面に膜が張ってしまっている場合が多く、⑤その膜除去とともに再発予防として正常網膜の一部(内境界膜)も剥離するのが一般的です。現在の極小切開硝子体手術は安全性が確立されていますので、日帰りにて十分対処可能な手術です。

スライド2 ILM剥離

 

 

 

 

 

⑥のマイクロパルス閾値下レーザーは今後非常に期待される治療法であり、TOMEY製IQ577レーザーを当院で採用しているのも、このマイクロパルスモードを搭載しているためです。黄斑網膜に凝固瘢が出ない程度の弱いレーザー(正常網膜に暗点などの障害を及ぼさない程度の弱さ)を照射するもので、手術を含めて他のあらゆる治療が無効な黄斑浮腫症例に効果が期待されています。
DMEの治療成績は以前と比較して格段に良くなっていますが、それでもやはり治療に難渋する症例は存在します。その多くが全身状態が不良であったり、糖尿病を長年放置してしまった場合であり、一番の治療が血糖コントロールであることは今も昔も変わりません。

講演後は鮨処 修にて懇親会。さすが!のお寿司屋さんですね。
先週・今週は、緑内障手術レーシック白内障手術結膜弛緩症手術。皆さん経過良好で何よりです!来週も同様に緑内障手術レーシック白内障手術。頑張ります!

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iStent

昨夜は「緑内障の臨床(一般検査〜MIGSまで)」と題した依頼講演を行ってきました。そのなかでも少し触れましたが、shunt deviceを用いたMIGSmicro-invasive glaucoma surgery)は今後の緑内障手術の主流となり得るものです。2014年のASCRS Binkhorst lecture(栄誉ある指名講演)は、カナダのIke K. Ahmed先生によるMIGSに関する講演であり、その注目の高さがうかがえます。Ex-PRESS
日本で認可が得られているdeviceとしては、Ex-PRESSTrabectomeがあります。特にEx-PRESSは、虹彩切除に伴う出血や術中/術後早期の低眼圧を防止する目的として非常に有用なdeviceです。2002年にFDAで承認され、本邦では2012年に厚労省で認可されましたが、米国とは実に10年の較差があります。
供覧の画像は、開放隅角緑内障と黄斑前膜の合併症例に対して私が執刀した硝子体手術Ex-PRESS挿入の同時手術の術中所見です。術後2年以上経ちますが、眼圧/眼底ともに経過は非常に良好です。

欧米ではさらに多くのshunt deviceが存在します。パッと出てはすぐに消えるものも多く存在しますが、Microcatheterを補助的に用いてシュレム管を拡大させるCanaloplasty、脈絡膜上腔へ挿入しuveoscleral flowを増加させる純金製のGold Shuntやポリイミド製のCyPass、そしてシュレム管に挿入するチタン製のiStentなどが今後期待されるdeviceといえます。

iStentiSyent2

 

特に注目すべきはこのiStent。全長が約1mmという世界最小のshunt deviceであり、injectorに最初からpreloadされているため、リリースも容易です。複数個の挿入も可能であり、挿入数に比例した眼圧下降効果が得られます。2012年にFDAでの承認を得ており、非常にsimpleな手術操作が高く評価され、今後world wideで使用されることは確実です。
ただし、Ex-PRESSにおけるFDAと厚労省承認との差を考慮すると、iStentを国内で使用できるのは最短でも数年先でしょうか…できるだけ早急な国内承認が期待されます。

講演後は順鮨にて懇親会。とっても美味しくお勧めのお寿司屋さんです。
先週・今週は、斜視手術レーシック白内障手術眼瞼下垂手術。頑張ります!

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あれから4年

東日本大震災から4年。
昨年の3/11は火曜のため、14時46分は出張手術中でした。本日の同時刻は、自院にて緊急硝子体手術(網膜剥離)の真っ最中。
イーアスでは全館放送にて黙祷を促す予定でしたが、オペ室内には放送が入らず…いつの間にか時刻が過ぎていたため、術後に黙祷。
来年は閏年のため3/11は金曜日。元々の手術予定曜日のため、来年の同時刻も間違いなく手術中だと思います。
4年という歳月、長いようであっという間ですね〜。

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スギ花粉症

先週末からスギ花粉の飛散量が急増しているため、目の痒みを訴える患者さんが非常に多くいらっしゃっています。これからしばらく続くと予想されるとのこと。嫌な季節ですね〜。
私も花粉症体質ですが、予防的投薬を開始していたため今のところばっちり!
重症化する前に、是非早めの受診をお勧めします。

本日の手術は、白内障手術水晶体再建術)、硝子体手術硝子体茎離断術)、そしてレーシックとフルコースでした。すべて順調に終了し、明日の患者さんの笑顔が楽しみです。

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