白内障手術」カテゴリーアーカイブ

労働衛生・労働災害

先々週は,ICL近視矯正手術〜水晶体再建術(連続焦点トーリックを含む)〜眼瞼下垂手術〜出張手術(笠間眼科)。
先週は,レーシック×4〜ICL近視矯正手術×4〜硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜iStent inject W挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(両眼同日・連続焦点トーリックを含む)〜出張手術(鉾田病院)。
今週は,ICL近視矯正手術〜硝子体茎離断術(増殖糖尿病網膜症)〜iStent inject W挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(連続焦点を含む)〜眼瞼下垂手術〜前後転術(外斜視)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です。

本日は東京都医師会館にて,労働衛生・労働災害に関する計5時間の座学。
備忘録を兼ねて,特に興味深かったものをご紹介。

石綿アスベスト):
労働衛生法第55条に製造禁止物質として指定されている8物質の1つ。胸膜中皮腫や腹膜中皮腫などを引き起こすことは周知の事実であり,1972年に国際労働機関が職業がんとして認定済み。にもかかわらず,本邦では2004年にようやく原則使用禁止。さらに全面禁止となったのは2012年…なんと震災後!
いずれも2004年以前の駐車場の露出した吹付け(レベル1),そして断熱材(レベル2)・波形スレート瓦(レベル3)は要注意。
過去の石綿建材使用時のばく露により毎年多くの方が労災認定。石綿使用建築物の解体は2030年のピークに向けてさらに増加し,2060年頃までかかる見込み。
アスベスト問題は過去のものではなく実はこれからが本番であり,今後40年以上にわたり公害病として中皮腫の増加が懸念される。

・テレワークの問題点:
運動量の減少・体重の増加・飲酒量の増加 ⇒ 運動時間の確保・食事量のバランスなど
概日リズム障害・社会生活への適合不全(コロナ・ロス) ⇒ 業務のオン・オフの明確化
テレワーク中の不慮の転倒 ⇒ 労災の適応

・過労死:
脳・心血管疾患 : 40歳以上の壮年者・高齢者
精神疾患 : 20歳〜40歳代の若年〜壮年者
労働時間が週に55時間以上 ⇒ 脳・心血管疾患のリスク上昇⇧(LDLコレステロールも上昇⇧)

時間外労働時間:
月に80時間以上 ⇒ 健康障害のリスク大
(上限は原則で,月に45時間・年間で360時間)

・精神障害:
精神障害による労災補償請求が爆発的に増加中。
発症は環境のストレス強度と個体側の反応性(脆弱性)とのバランスで決まる。
単純疲労はガス欠(短期休養で回復),適応障害はオーバーヒート(長期休養にてストレスを減らし,認知行動療法も必要),うつ病はエンジンオイル切れ(遺伝的な要因を伴う思考制止のため,抗うつ薬長期投与が必須)。
うつ病の多くは躁病相も伴う双極性障害で,当然ながら早期発見・早期治療が重要。
ASD(自閉症スペクトラム障害)の有病率 : 1 %
ADHD(注意欠陥多動性障害)の有病率 : 子供の 5 %,大人の 2.5 %

・感染予防:
IGRA(インターフェロンγ遊離試験 ; QFT・T-SPOT)陽性者に対するINH 300mg × 6か月投与は,もはやLTBI(潜在性結核感染症)の予防でなく治療
放射線技師がマスクなしで結核患者に5分接触しただけで結核感染した事例あり。
COVID-19は発症前から飛沫感染のリスクがあり,やはりマスクは基本的感染予防策。

とても勉強になりましたが…..コロナ禍にて座席の間隔が広く取われており,パソコンでの内職は目立つため難しく…。
おまけに指名で順次答えさせられる始末…..学生時代以来?….笑。

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円錐角膜・小児近視に対する銅イオン点眼治療

先々週は,ICL近視矯正手術×4〜硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離)〜緑内障濾過手術(線維柱帯切除)〜前後転術(外斜視)〜水晶体再建術(連続焦点トーリックを含む)〜睫毛内反手術(埋没法)。
先週は,祝日と夏期休診の都合にて出張手術(二の宮眼科)のみ。
今週は,レーシック×6〜ICL近視矯正手術〜硝子体茎離断術(IOL落下)〜水晶体再建術(IOL強膜内固定・連続焦点トーリックを含む)〜眼瞼下垂手術〜睫毛内反手術(埋没法)。
皆さん経過良好です。

本日は米国iVeena Delivery Systems発の銅イオン点眼治療について。

IVMED-80
円錐角膜の進行を予防する治療法の最たるは,紫外線照射による角膜クロスリンキング(CXL)です。一方,紫外線照射などを要せず,銅イオンの点眼IVMED-80)のみで進行を予防できる可能性が,米国から報告されています。
角膜内のlysyl oxidase(LOX)は銅イオン(補因子)依存性にコラーゲンの架橋を促進させるため,銅イオン点眼にてLOXをアップレギュレートし,CXLと同様の効果を狙う,というものです。
動物実験ではCXLとほぼ同等で,安全性にも問題なく,6 か月間の第 1/2a 相臨床試験では主要評価項目(Kmax)においてプラセボと比較し統計的有意差あり(P=0.0199)。
第 3 相臨床試験の良い結果を期待しましょう。

IVMED-85
銅イオンの点眼である点はIVMED-80と同じであるものの,IVMED-85 は小児の近視治療が目的です。近視進行制御を目的として強膜と角膜の両方の架橋を誘導する最初の点眼薬なので,こちらの有効性の評価にはまだかなり時間を要することでしょう。

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まさかの停電…

先々週は,硝子体茎離断術×2(RRD・BRVO-VH)〜ICL近視矯正手術〜水晶体再建術(連続焦点×3を含む)。
先週は,ICL近視矯正手術×4〜iStent inject W 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(連続焦点を含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です。

本日7/11(月),午前の外来終了直後の午後1時過ぎから,なんとアウトモール全体が停電に!
非常灯のみ点灯し,エアコン空調・電子カルテ・各種検査機器などすべての電子機器が使用不可のため、午後は臨時休診に。
固定電話は不通,web予約システムへのアクセスも不可のため,予約済みの患者さんへの連絡も出来ない状況で,誠に心苦しい限り…。

原因は精査中で,どうやら本日中の復旧は難しい状況とのこと。
イーアス自体に非常電源がありますが,地域が停電していないのに館内だけ停電するという状況そのものが想定されていないので,これは対策を検討しないとダメですね…。

夕方には市役所で介護保険審査会があるので,それまで場所を移して別の諸々のお仕事を。

アウトモールにはペットショップもあるので,ワンちゃん・猫ちゃんは大丈夫かな〜と他の心配をしてしまいます…。

明日は火曜休診日ですので,水曜以降は通常通りに診療を行います。

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@京都

先週は,ICL近視矯正手術〜レーシック×4〜水晶体再建術(両眼同日を含む)〜翼状片切除術〜出張手術(笠間眼科)。
今週は,硝子体茎離断術×2(増殖糖尿病網膜症・黄斑前膜)〜水晶体再建術(連続焦点を含む)〜出張手術(鉾田病院)。
皆さん経過良好です。

2019年には4回訪れましたが,今回はちょうど2年半ぶりの京都。
暑さにもかかわらず,市内は観光客で溢れていました!

学会はオンデマンドでもzoomでもなく,やはりon siteに限りますね。
参加登録者数はコロナ前とほぼ同様で,ランチョンセミナーもコロナ前とほぼ同様。食事以外はマスクを着用し,完全なwithコロナ学会。

AI関連などを含め,色々と大変勉強になりました。
一般的な内容として是非ご紹介したいのは,下記の2点。
抗菌薬処方量が,2020〜2021年は前年比20%減。AMRアクションプランが奏功したというよりは,コロナにてインフルエンザが激減し,無意味な抗菌薬の同時処方が減ったのが主な理由のようです。皮肉にもコロナのおかげというわけですが,ということはまた処方が増える可能性があるかも…?
日本の屈折矯正の30%弱ICLで,この比率は世界でも圧倒的にトップ。一方,北米ではICLは全屈折矯正手術のなんと1%! つまり北米ではICLはマイナーで,メインはやはりレーシック。米国でもレーシックが一時減った時期がありましたが,原因は日本のような1施設での集団感染およびネガティブキャンペーンなどではなく,単純に経済的理由(リーマンショック)
ICLはDrのライセンス制ですが,レーシックは違います。私的意見として,今からレーシックを始めようとする日本のDrはほとんどいないとは思いますが,日本だけまた同じ過ちを繰り返さないためには,レーシックにもライセンス制(しっかり学び,一定の症例数を経験したDrのみがエキシマレーザー機器を使用できる制度)を導入すべきだと思います。

 

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Democracy

先々週は,硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜レーシック×4〜水晶体再建術(両眼同日を含む)〜出張手術(鉾田病院)。
先週は,ICL近視矯正手術〜水晶体再建術眼瞼下垂手術。
今週は,硝子体茎離断術(黄斑円孔)〜水晶体再建術(連続焦点・LI後を含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です。

本日は県アイバンクの会合に出席。
コロナの影響もあり,進行は非常にスムーズでした!

さて,ESCRSから,査読付き月間誌とは別で,EURO TIMESという情報誌が不定期に送られてきます。Online版とは少しタイムラグがあるものの,やはり本は非常に読みやすい!

今回の表紙は,手に取った誰もが注視したでしょう。
表題は STAND WITH UKRAINE & SLAWA UKURAJINI,さらにeditorialでは invasion と明記(もちろん人道支援に関しても詳細な記載あり)。

日本の学会でも人道援助などの記載はありますが,強い非難など深い言及はされず。
ESCRSのHPでの記載は勿論のこと,世界中に配送される情報紙を媒体として強いメッセージを発することは,インパクトが非常に大きいですね。
ESCRSはヨーロッパ19ヵ国がメインであり,当該2ヵ国いずれも数多くの眼科医がメンバーになっています。某国でも試行錯誤すればwebでの閲覧はどうにか可能かもしれませんが,このような郵便物は検閲で破棄され,Drの目に触れることはないのかもしれません…。

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