白内障手術」カテゴリーアーカイブ

JSCRS総会印象記

今日は金曜日。午後からレーシック水晶体再建術硝子体茎離断術増殖糖尿病網膜症)の手術を施行。すべて滞りなく終了です。
JSCRS総会での講演も無事終わり束の間の休息…来週金曜のDME治療に関する講演の準備も…(^^;)。

今年度のJSCRS総会でも新しい治療法など非常勉強になりました。
興味深かった主な発表内容:
◆適応外ではあるものの、ICLを通常のIOL挿入眼にpiggybackとして挿入可能。
◆イタリアでの多焦点IOLは、もはや二焦点でなく、皆ほぼ三焦点IOLへシフト。
◆全層角膜移植前にマイクロ波(電子レンジと基本的に同じ)を照射し角膜を平坦化。その後フェムトセカンドレーザーで全層角膜移植(ジグザグPKP)。これにより術後前房深度が正常化。
◆全層角膜移植後にレーシックは可能。PRKはヘイズ(角膜混濁)を生じやすいのでレーシックを奨めるとのこと。
◆IOL挿入後の度数ずれ(refractive surprise)に対するエキシマレーザーでのtouch up(追加屈折矯正)。90歳代の症例にレーシックでのtouch upを行い術後経過良好とのこと。今後は100歳に対するレーシックもありうるとの座長のコメント!
◆2015年の国内レーシック症例に対する前向き研究の結果の発表。15,000例近くの膨大なデータです(当院のデータも含む)。英語投稿論文のco-authorに入る予定なので、あまり詳細は述べませんが、術後平均裸眼視力は1.4と非常に良好で、合併症もほとんどなし!

一年経つと、内容もどんどん進化しますね〜。また来年も楽しみです。

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夜の天体観望

昨日は水晶体再建術脱臼IOL摘出毛様溝固定術眼瞼下垂手術を施行し、皆さん経過良好です!

さて、今宵は念願かなって「夜の天体観望」へ。筑波実験植物園で毎月第2土曜に開催されている人気イベントですが、雨天時は中止となり予約もすぐに埋まってしまうんです。
火星
梅雨に入り中止も覚悟でしたが、幸い天候に恵まれ、肉眼でも星座が確認できる程の夜空 ♪
天体ドーム内で説明を聞きながら、月・木星・火星・土星、さらに衛星を約200倍の倍率で次々に観測。先日スーパーマーズが話題となりましたが、2年後はさらに接近するためもっと大きくみえるそうです。

約2時間の締めは…正確な時刻と方角の説明のもと、ISS(国際宇宙ステーション)の肉眼観測!
飛行機とは異なる点滅しない光が急に現れ、すーっと移動しつつ、約1分程度でゆっくりと視界から消えました。これには参加者から大歓声。プラネタリウムもすばらしいですが、本物はさらに感動的ですね〜。

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備えあれば…

今日は金曜日。午後からレーシック水晶体再建術単焦点IOL・三焦点IOL・PTK後症例など)〜硝子体茎離断術黄斑前膜)の手術を施行し、すべて滞りなく終了。

先日の出張手術にて、久しぶりにCTR(水晶体囊拡張リング)を併用した症例がありました。手術顕微鏡を覗いた瞬間から水晶体がプルプルと揺れており…..よく観察すると切開創方向120度のチン氏帯断裂…..しかしCTRのおかげで無事に終了!
もしCTRがなかったら….水晶体全摘&IOL強膜内固定….プラス1時間は要します。
確率は非常に低いものの、CTRは出張手術の心強いお守りです!

食料なし・水道水のみ・暖房なし・しかも孤独…..何の備えもなく1週間弱…..無事保護された小学生の卓越したサバイバル能力にまさにあっぱれ!何はともあれ本当に良かったですね〜。

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Lampalizumab(ランパリズマブ)

昨日は様々な水晶体再建術単焦点レンズ三焦点レンズ脱臼IOL摘出毛様溝固定術)を施行。そして夜は毎年恒例の筑波大眼科教官(准教授もしくは講師)の懇親会に出席しました。レジデントと異なり、教官スタッフは臨床・研究・教育とかなりのストレスが負荷されます。その職に就いたものにしかわからない労をねぎらい、情報交換を行う事が主目的の懇親会です。今回も公では話す事が出来ない話題で盛り上がり、非常に有意義な時間を過ごせました。

本日は萎縮型加齢黄斑変性(dry AMD)の治療について。
加齢黄斑変性の患者数は全世界で推定1億3,500万人(2014年)とされ、米国では50歳以上の人の失明原因のトップです。日本でも急速な高齢化や生活様式の変化などのため、この病気に伴う視力障害者が急増しています。加齢黄斑変性の約90%を占めるドライ型は、病気が進行すると黄斑網膜が加齢とともに萎縮(地図状萎縮)してくるものです。萎縮の進行は遅く、ゆっくりと視力が低下していくのが特徴です。地図状萎縮は時間が経過するほど病変部が拡大していくため、その進行をいかに早期に抑制できるかが鍵となります。現時点で「萎縮型」に対する有用な治療法はありませんが、米国ではいくつかの薬剤の開発が進行中です。ここではFDAに承認されそうな薬剤について。

それはLampalizumab(ランパリズマブ)という抗補体因子D抗体フラグメントで、世界最大手のロシュ社が開発しています。下記抗VEGF薬と同様な硝子体注入薬で、海外臨床試験では18ヶ月で地図状萎縮病変進行を20%抑制する効果が確認されています。

滲出型に地図状萎縮を伴う症例も散見されるため、抗VEGF薬や抗PDGF薬との併用療法なども検討されることになるでしょう。治療の選択肢が増えることは非常に喜ばしい限りであり、数年後を目処に双方の薬剤とも国内認可されることを期待したいですね。

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休日に受講…

今年度より国産CTRの材料費が保険収載されたものの、講習会を受講しないと使用不可とのことにて、本日はその受講のため都内へ。実際にはドイツ製CTRの在庫がたくさんあるのですが…
年間1,000例程度の国内出荷予想とのことなので、年間全白内障手術件数の0.05〜0.1%程度となり、年間1〜2例の自己統計はおよそ正確であることが確認できました。約2時間弱の聴講でしたが、遅刻厳禁・途中退出不可と超厳戒…しかし早々に船を漕いでいる方もちらほらと…これでは全く意味がないのでは…(^^;)。時代的には、web聴講で最後に簡単なマークシート問題、などが最も有効かつ合理的かと強く感じましたね〜。寄り道をもくろんでいた若冲展は超激混みのようなので断念…次はいつ見れることやら…

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