硝子体手術」カテゴリーアーカイブ

マイクロシャント(Microshunt)国内承認

先週は,硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜ICL近視矯正手術〜水晶体再建術(連続焦点を含む)〜出張手術(笠間眼科)。
今週は,レーシック×8(斜視術後を含む)〜硝子体茎離断術(黄斑分層円孔)〜水晶体再建術(連続焦点・両眼同日を含む)〜前後転術(外斜視)〜睫毛内反手術(埋没法)〜出張手術(鉾田病院)。
皆さん経過良好です。

本日は,マイクロシャントMicroshuntについて。

遡ること7年前から当ブログでも掲載してきた  Microshunt ですが,「プリザーフロ マイクロシャントPreserFlo MicroShunt)」と名を新たに,その国内販売が承認されました。
当初はInnFocus社が開発していましたが,その将来性から参天製薬が同社を買収。国内外にて臨床試験が進行中で,2012年のCEマーク取得は例外として,FDAよりも先に本邦にて承認。
本邦では参天製薬からの販売ですが,北米・中南米・豪州ではGlaukos社(iStentなど緑内障デバイス専門)が販売権を持つとのこと。両社がwin-winとなるような取り決めがなされたのでしょうね。

生体適合性の高いSIBS(スチレン-イソブチレン-スチレントリブロック共重合体)素材からなる,全長8.5mmの緑内障フィルトレーションデバイスで,結膜下に輪部から前房内へ刺入留置することで,人工的に房水流出路を作製します。
実際の手術手技は,強膜に径1mm&長さ3mmのトンネル作成マイクロシャント留置結膜を被覆縫合するだけ。強膜flapを作成しないため,従来の線維柱帯切除術・エクスプレス(Ex-PRESS)挿入術と比較して,非常に低侵襲で簡便な術式です。
発売は2022年秋以降のようですが,緑内障濾過手術のブレイクスルーとなり,新たなトレンドを作ることは確実でしょう。

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令和3年度 県民健康づくり表彰

先々週は,硝子体茎離断術(増殖糖尿病網膜症)〜水晶体再建術(両眼同日を含む)〜前後転術(内斜視)〜結膜囊部分形成術(眼窩脂肪ヘルニア)〜翼状片切除術〜出張手術(鉾田病院)。
先週は,レーシック×6〜ICL近視矯正手術〜硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術(連続焦点・両眼同日を含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
今週は,ICL近視矯正手術×6〜レーシック硝子体茎離断術(IOL落下)〜水晶体再建術(連続焦点トーリック・IOL強膜固定を含む)〜睫毛内反手術×4(埋没法)。
皆さん経過良好です。

このたび「令和3年度健康づくり推進事業功労者」として表彰を受けました。
各都道府県において健康づくり事業が推進されており,茨城県では「健康いばらき21プラン」の事業の一環として,功労者が毎年選出されます。
公衆衛生の向上・発展のため尽力した個人および団体が顕彰されるようで,私においては「多年にわたる循環器健康事業推進における県民の生活習慣病予防の功績」とのこと。
総合健診協会眼底読影委員を委嘱されてから早20年…..もうそんなに?

毎年2月中旬に「県民健康づくり表彰式」が県庁舎講堂にて開催されますが,本年はコロナ感染対策のため規模を大幅に縮小しての開催となり,先日下記が郵送されてきました。

次もあることを期待しつつ…..でも何年後でしょうかねえ〜♪

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リフィル処方箋

先週は,硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離)〜水晶体再建術(連続焦点トーリックを含む)〜睫毛内反手術×6(埋没法)〜翼状片切除術〜出張手術(火曜AM笠間眼科&PM二の宮眼科)。
今週は,硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術(両眼同日・連続焦点を含む)。
皆さん経過良好です。

今週末は眼科手術学会総会(東京国際フォーラム),のはずでした….久しぶりに会場に行けるかも?などと淡い期待はオミクロン株によって見事に裏切られ,学会そのものが後日on demand配信となってしまいました。仕方なしにたまった仕事をこなし,今日は早朝からJSCRSのzoom会議に出席…。

今年4月は診療報酬改訂が予定されており,先週その概要が中医協(中央社会保険医療協議会)から公表されました。
コロナ禍のため眼科単独としてはマイナー改訂のみですが,全科において一定期間に限り医療機関を受診しなくても調剤薬局で繰り返し使えるリフィル処方箋」の導入が大きな改訂ポイントとなります。
医療費を削減することが主目的であり,さらに感染予防という意味においても,不必要な通院回数を減らせることには強く賛同します。

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2021年メス納め

先々週は,ICL近視矯正手術水晶体再建術(連続焦点トーリックを含む)〜眼輪筋縫縮術×4(眼瞼内反)〜出張手術(笠間眼科)。
先週は,レーシック×6〜ICL近視矯正手術×4〜硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術(両眼同日・連続焦点トーリックを含む)〜眼瞼下垂手術×2〜出張手術(鉾田病院)。
今週は,レーシックICL近視矯正手術水晶体再建術眼瞼下垂手術〜睫毛内反手術×4(埋没法)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です。

年明け早々の三が日に,医療従事者枠にてワクチン3回目接種の予定です。
在日米軍しかり,学習のない入国時水際対策には期待できそうになく…..我々に出来ることは,マスク着用とワクチン接種(日本では全人口の8割弱,10代でも7割以上が2回接種済み)。いずれは致死率がさらに低下し,季節性インフルエンザのごとく流行の兆しのたびにワクチン接種が推奨されることでしょう。真の有効性は別として,しばらくワクチン接種継続が必要ですね。

12/30〜1/4まで休診とさせて頂きます。
今年もたくさんのオペを執刀し,特に夏以降はコロナ前を大きく上回る件数でした。
来年も引き続きよろしくお願いいたします。

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レジェンド

先週は,レーシックPTK(帯状角膜変性)〜ICL近視矯正手術iStent inject W 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(両眼同日・緑内障発作後を含む)〜眼瞼皮下腫瘍摘出術(アポクリン腺嚢腫)〜結膜囊部分形成術(眼窩脂肪ヘルニア)。
今週は,硝子体茎離断術(裂孔原性網膜全剥離)〜水晶体再建術(両眼同日・LASIK後を含む)。
皆さん経過良好です。

今週末は第60回日本網膜硝子体学会,本日はほぼフルで拝聴しました。
特に面白かったのは,ご高名な眼科医4名による,特別企画「レジェンドからのメッセージ」。
新しい網膜疾患を複数発見し,日本発で命名! 非英語圏の不利を研究力で吹き飛ばし,2021年に米国で最高位を受賞! 大学発での複数の製品化を成し遂げ,旧帝大の総長に!

そしてもう1名。誰も教えてくれなかったため網膜硝子体検査を独学し,海外へも自ら積極的に手術見学に出向き,決して諦めない網膜剥離手術への熱意で日本のトップsurgeonに。尊敬申し上げるこのT先生の講演を特に楽しみにしていましたが,予想通りに大変興味深い内容でした。初期の網膜剥離手術は,術前術後の絶対安静で約1ヵ月の入院を要したとのことで,日帰り手術全盛の現在とは大違い…。40年以上前,米国でのガス注入併用網膜剥離手術は全身麻酔&宙づりで行われていましたが,ご自身もこの術式で執刀されていたんですね〜。

私が研修医成り立ての25年前,T先生はすでに超高名であり,手術機器メーカー経由でライブ手術の動画を入手。今では国内開催が難しいライブ手術ですが,見学しながらコメントを述べる故T教授・故H教授・そしてO先生など,T先生を含めて当時の硝子体手術4天王が集結した贅沢な動画でした。コピーを繰り返したためと思われるVHS特有の低画質でしたが,手術レベルは当時の研修先とは雲泥の差で,その20G-PDR手術動画を何度も何度も見返した記憶があります。
医師2年目での手術見学(PDR・DME・RRD)にて感銘を受け,6年目(再発性PVR×複数例・open skyでの全剥離ROP手術),7年目(PDRの助手)にも見学させて頂きました。当時は勿論のこと現時点でも日本の網膜硝子体手術のトップsurgeonであり,難治再発性PVR症例における最後の砦となっています。

近年,安易に硝子体手術(特に網膜切開)を行う傾向が危惧されています。若年者の裂孔原性網膜剥離手術は強膜バックルが基本であり,可能な限り硝子体手術は避けるべき。硝子体手術が必須のPVRでも,安易に周辺部網膜を切開せず,硝子体手術と強膜バックルを併用すべき。以上が安全かつ有用な基本方針とされます。
3ポート作成での液空気置換下にて,全周および深部子午線バックルを容易に縫着するT先生の技を真似出来る術者はかなり絞られるかもしれませんが,前出の方針には強く賛同します。

今回の講演とは別で,滲出型加齢黄斑変性に対する360°網膜切開併用中心窩移動術がもてはやされた時代がありました。術後にPVRを発症する症例もあり,侵襲が大きすぎて普及せず,抗VEGF薬の登場とともに消え失せた術式の1つです。

本来,安易な網膜切開は避け,必要に迫られて切開する場合には部分バックルもしくは輪状締結を併用すべき。つまり,強膜バックル手術を完全に習得したうえで硝子体手術を行うべきであり,今後の眼科手術教育の大きな課題の1つと言えるでしょう。

その他,今でこそ言える裏話なども拝聴できました。また是非このような機会を設けて頂けるとありがたいですね。

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