硝子体手術」カテゴリーアーカイブ

モバイル CXL

今週水曜はレーシック
木曜は緑内障手術Experss・エクスプレス挿入術)。
金曜は硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術
皆さん経過良好です!
来週水曜は硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術結膜腫瘍切除術。
木曜は、水晶体再建術翼状片手術〜眼瞼下垂手術〜眼瞼皮膚弛緩手術、の予定。

本日は最新のCXLcorneal collagen cross-linking)について。

CXL角膜クロスリンキング)は、リボフラビン(ビタミンB2)を含ませた角膜に紫外線(UV-A)をあてることで、角膜の強度を増して角膜の前方突出を防ぐ手法です。進行性の円錐角膜に対する有効性は海外にて実証されており、2016年4月にFDAで承認。国内PMDAではまだ未承認ですが、世界中にて急速に普及しつつあります。
2003年に初めて報告されたCXLの原法は、角膜上皮を取り除き(Epi-off)、リボフラビンを浸透させて紫外線を30分間照射する方法(conventional CXL)で、最初に提唱したドレスデン大学の名前をとって、ドレスデン・プロトコールと呼ばれています。角膜上皮を取り除かずにリボフラビンを角膜に浸透させて紫外線を照射する方法(Epi-on)や、高出力の紫外線を用いることで照射時間を短縮させる方法(accelerated CXL)も登場しています。

近視の進行予防を目的として、角膜でなく強膜へのCXLは有効との海外報告もあります。しかし健常眼への照射は倫理的に問題があり、ただの近視に対してはおそらく普及しないでしょう。

さらに、正確な因果関係はまだ不明であるものの、CXLが感染性角膜潰瘍に対しても有効であると報告され始めています。通常のCXLと目的を区別するため、PACKCXLPhotoactivated Chromophore for Keratitis-Corneal Collagen Cross-Linking)と呼ばれます。あくまで治療抵抗性の難治症例に限ってのものですが、治療の選択肢が増えることは喜ばしい限りですね。

CXLにおける紫外線照射機器は複数ありますが、いずれも比較的大きく、またオペ室にて仰臥位での治療を行う必要があります。
ところが近年、診察室にて座位での治療が可能な装置が登場しました( C-Eye Device、EMAGine AG、Switzerland)。どこの眼科でもあるスリットランプ(診察室にて眼を診察する器械)にアタッチメントとして装着するだけの、とてもシンプルで小さな器械です。
数分間スリット台に顎をのせるだけで施術終了!
CEマークは2017年に取得予定。FDAは勿論未承認であるため、国内承認はほど遠いと考えられますが、将来的には診察室での治療が当たり前となると思われます。

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烏兎匆匆

火曜には筑波西武が閉店し、入口に板が打ち付けられ、すでに過去の遺物。なくなるのはあっという間ですね。閉店日には開店前から並び、お花を頂いて入店。朝からものすごい人出でした!
やや年輩の店員さんに「普段からこのくらいお客さんが来ていたら閉店なんてことにはならなかったでしょうね〜」と呟くと、「そうですね〜……でもこんなに来なくてもいいですかね〜、これだと体が持たないと思います」と笑顔での返答。目の前の接客に追われつつも、長年勤務した自負からの達成感がにじみ出ていました。

一方で、先週末に圏央道のつくば中央〜境古河区間が開通。成田から関越方面に向かう方にとっては、都心を通らなくて済むという大きなメリットがあります。
私的には、信州関越方面の温泉・スキーが行きやすくなる〜、と思っていたのですが……ハイウェイナビでシミュレーションしてみると、早朝の関越下り方面は外環の方が早いとの結果…えっ?
思慮が浅かったようで、夜間早朝に限っては片側一車線の圏央道より片側二車線の外環の方が断然早いんですねー。
所沢付近の上り渋滞回避には有用だとは思われ、帰路を夕刻でシミュレーションしてみると、15分程度の時短で圏央道に軍配!
時間帯によって結果は大きく異なるということでしょうか。

今日は市内でランチ。

ジブリの世界に迷い込んだようなお洒落なお店で、パスタも美味しかったです?

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プラケニル

今週水曜は硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離)〜水晶体再建術
木曜はレーシックPTK・エキシマレーザー角膜混濁除去術。

金曜は水晶体再建術(二焦点を含む)〜眼瞼内反手術。
皆さん経過良好です!

本日はプラケニルの眼合併症について。
プラケニル(ヒドロキシクロロキンHCQ)は、全身性エリテマトーデ ス(SLE) ・皮膚エリテマトーデス(CLE)に対する世界標準的な治療薬です。米国では1955年に承認され、本邦では2015年7月にSLEとCLEに対する適応が承認されています。

抗マラリア薬として使用されたリン酸クロロキン(CQ)の薬害としてクロロキン網膜症があります。典型的なクロロキン網膜症では、黄斑部網膜が萎縮変性し、中心視力が不可逆的に低下してしまいます。CQより発現はまれであるものの、HCQ使用中の患者でも網膜症が一定の割合でみられます。
CQ同様、HCQによる毒性の発生機序はいまだ不明。HCQ累積投与量が200g以下であればほとんど心配ありませんが、200gを超えると網膜症発現率が数%になるとされます。

以上を踏まえ、本邦の眼科診療指針は下記の通り。
◆ プラケニル投与開始後は、少なくとも年1回の頻度で眼科定期検査を実施する。
◆ ハイリスク患者(本剤の累積投与量が200gを超えた患者・高齢者・肝機能障害または腎機能障害患者・視力障害のある患者・SLE 網膜症患者・投与後に眼科検査異常を発現した患者)では、患者の状態に応じて年1回よりも頻回に検査を実施する。

世界70か国以上で使用されているHCQ。米国から遅れること60年….遅すぎの感は否めませんが、日本の安全性に対する慎重さを表しているともいえるでしょう。
網膜症はHCQ投与開始より5〜7年を超えると発現率が高くなるとの報告もあります。本邦では承認されてからまだ1年半ですから、今後も長期的な経過観察が必要です。

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小正月

今週はレーシック硝子体茎離断術(増殖糖尿病網膜症)〜水晶体再建術(二焦点・トーリックを含む)〜翼状片切除、と4日連続で手術の予定。頑張ります!

この時期の恒例行事といえばセンター試験。今年も雪のために試験時間変更がちらほらと。
試験当日の大学会場で、問題の配付と回収・開始と終了の号令・受験票チェック(本人確認)・トイレの誘導など、いわゆる試験監督は誰が行っているか、ご存じでしょうか?
正解は、レジデントでも大学院生でも事務職員でもなく、大学教員(講師・准教授・教授)です。ある日突然通知が届き、丸々2日間の拘束が義務付けられ、特別な理由がない限り拒否できません…私も大学在籍時代は隔年で担当していました。
マニュアルが用意されているものの、不測の事態が起こるとその部屋の受験生全員に迷惑がかかるため、監督側も緊張します。試験監督としては完全に素人ですから…(^^;)。

今週末は各地で天気が大荒れでしたが、本日のつくば市は寒いながらも快晴!
朝は小豆粥を食べ、どんど焼きへ出向き、焼き餅をおいしく頂き…

いざ御神籤を…するとこの上ない内容が書かれた大吉!

何ごとも思うように…ほんと? 裏面の教えを肝に銘じましょう!

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レーシック・ICLの国内成績②

新年早々、先週金曜はtoric ICLを用いた近視矯正手術水晶体再建術
本日は自院にて硝子体茎離断術(増殖糖尿病網膜症)〜水晶体再建術(トーリックを含む)。
うち2例は遠方の紹介元にそのまま逆紹介。これぞ理想的な病診連携だと思います。

2015年のレーシック・ICLの国内成績についての続編です(主なデータのみ抜粋)。
権威あるAJOにて公表されることにより、確固たるエビデンスをもって、本邦における現在の屈折矯正手術の術後成績が非常に優秀であることが明らかとなりました。

A Multicenter Prospective Cohort Study on Refractive Surgery in 15011 Eyes.
Kazutaka Kamiya, MD, PhD, Akihito Igarashi, MD, PhD, Ken Hayashi, MD, PhD, Kazuno Negishi, MD, PhD, Masaki Sato, MD, PhD, Hiroko Bissen-Miyajima, MD, PhD on behalf of the Survey Working Group of the Japanese Society of Cataract and Refractive Surgery.
Am J Ophthalmol 2017;175:159–168.

<術式の内訳
Conventional LASIK(68%)、wavefront-guidedLASIK(9%)、ICL(9%)、ReLEX(6%)、topography-guided LASIK(5%)、その他(3%)
つまり、82%がLASIK!

<術後視力>(以下、術後3ヵ月)
レーシック術後裸眼視力: 1.41
レーシック術後裸眼視力: 1.51

ICL術後裸眼視力: 1.41
ICL術後裸眼視力: 1.62

<精度>
術後裸眼視力の向上率:
LASIK(94%)、ICL(94%)、ReLEX(90%)

術後屈折度の予測性能(±1.0D以内の屈折誤差):
LASIK(96%)、ICL(99%)、ReLEX(97%)

<追加手術>
LASIK:
追加矯正手術(0.46%)、フラップ洗浄(0.79%)

ICL:
追加矯正手術(0.44%)、摘出・交換(1.46%)

<術後合併症>
LASIK:
感染症(0%)、グレア・ハロー(0.38%)、ドライアイ(1.73%)、フラップ皺(0.22%)、DLK(diffuse lamellar keratitis:0.43%)、偏心照射(0.007%)、ケラテクタジア(0%)

ICL:
感染症(0%)、グレア・ハロー(1.46%)、虹彩色素散布(0.88%)、一過性眼圧上昇(0.58%)、白内障(0%)、角膜内皮減少(0%)、緑内障(0%)、網膜剥離(0%)

以上が現在の本邦の屈折矯正手術の術後成績です。
不徳な医療機関はすでに排除されていると考えられ、それ故に非常に良好な術後成績となっているのだと考察します。ちなみに、白内障手術での感染症発生割合は約3,000〜4,000件に1件(0.02〜0.03%)程度です。

屈折矯正手術は、年齢・角膜厚・前房深度などにより、近視・乱視・遠視のすべての患者さんが対象となるわけではありません。手術に対し少しでも不安があれば、納得するまで執刀医から直接しっかりと説明を受けましょう。
屈折矯正手術に限ったことではありませんが、執刀医と信頼関係を構築できれば、安心して手術を受けられることは勿論のこと、必ずや「手術を受けて良かった!」と思えるはずです。

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