硝子体手術」カテゴリーアーカイブ

3Dヘッドアップサージェリー

11/3〜6は京都にて第70回日本臨床眼科学会が開催。専門学会ではない臨眼には通常あまり出席しないのですが、dutyの併催会議に出席するため、1泊2日で京都へ。臨眼は広く浅く万遍なく、にもかかわらず参加者は総勢8,500名以上にて数字上は盛況、さすが京都です。さほど寒くはないものの、ハードスケジュールのため東寺の夜間特別公開への参拝もかなわず…..紅葉の時期もあって京都はいつにも増して混雑していました。

今回のトピックは「3Dヘッドアップサージェリー」でしょう。白内障や網膜硝子体手術などの内眼手術において、通常は眼科手術専用顕微鏡を覗きながら行います。3Dヘッドアップサージェリーとは、顕微鏡を覗かず、専用メガネ装用下にて巨大3Dモニターを見ながら行う手術のことです。
3d利点:
①オペ室内のスタッフ全員で同じ3D画像を共有できるので、研修医の教育には特に有用。
②解像度が非常に高く、顕微鏡よりも鮮明(色調の変更も可能)。
③顕微鏡手術ならではの頸椎への負担が軽減。
欠点:
①大きなモニターを設置するスペースが必要。
②3Dメガネによる術後眼精疲労。
③硝子体手術は良い適応だが、グレアのため白内障手術ではやや見づらい。

現時点ではまだ改良の余地がありそうですが、他科ではモニターを見ながらの内視鏡下手術が一般的であり、眼科でもモニター手術、さらに遠い将来にはダヴィンチオペ、の流れになるかもしれません。

その他、個人的に興味をもった内容:
◆近々発売されるミケルナ(カルテオロール&ラタノプロスト配合)抗緑内障点眼薬。チモロールと異なり、薬剤耐性が少ない可能性あり、長期的にはより有用。
◆斜視に対するボトックス注射。通常の斜視では効果が切れる度に幾度も再投与が必要だが、乳児内斜視には非常に有用。
◆アイファガン(ブリモニジン)点眼により、緑内障性乳頭出血が有意に減少。
◆臨床研究の倫理的諸問題。今後さらに規制が強化され、カルテベースの後ろ向き調査でも承諾書が必要になるかも…そんなことになったら臨床研究が出来なくなりますが…。
佐藤正樹 眼科 つくば ICL
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秋麗

今週は3件の硝子体茎離断術(黄斑前膜・糖尿病性硝子体出血・全剥離PDR術後でのシリコンオイル抜去および膜剥離)および水晶体再建術
滞りなく終了し、すべて経過良好です!
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本日は久しぶりの同窓ゴルフ。秩父の清涼な空と旧友との語らいにてリフレッシュ!
久しぶりの早朝スルーでしたが、意外にも体力的には問題ありませんでした。明日の筋肉痛が心配ですが…(^^;)

週明けは4日連続手術!
水晶体再建術(トーリック〜二焦点〜三焦点を含む)〜硝子体茎離断術(増殖糖尿病網膜症・黄斑前膜)〜
IOL強膜固定(水晶体脱臼)。頑張ります!
佐藤正樹 眼科 つくば ICL
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開院3周年

今週火曜の夜は研究学園医療懇話会の座長。
水曜は硝子体茎離断術(増殖糖尿病網膜症症例、黄斑前膜症例)〜水晶体再建術
昨日金曜は水晶体再建術二焦点を含む)〜瞳孔形成術
ちょっぴり疲れ気味ですが、皆さん経過良好でなによりです。

本日は土浦の花火の日!%e5%9c%9f%e6%b5%a6%e8%8a%b1%e7%81%ab
ビルの屋上にて、肌寒くブルブルと震えながらの見物…。
それよりなにより、本日は開院3周年記念日!
昨日9月末で、診察券番号22814を発行しました。つまり3年間でカルテが2万2千冊以上になったわけです。電子カルテなのでどんなに増えても場所には困りませんが…(^^;)。

来週も手術が盛り沢山。これからも引き続き、三焦点プレミアム白内障手術硝子体手術レーシックICL手術緑内障手術眼瞼下垂手術斜視手術抗VEGF療法オルソケラトロジーなどなど、最先端かつ最良のテーラーメイド医療を提供し続けます!
佐藤正樹 眼科 レーシック ICL 
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EVO+ Visian ICL

本日2016/9/1に、従来のICLと比較し光学部がより大きく再設計されたEVO+ Visian ICLが発売開始となりました。EVO ICL
ICLの利点は、術前と比較し術後にコントラスト感度が上がる、高次収差増大を抑えることによりwave front guided LASIKと比較してもコントラスト感度が良好、入れ替えなどの再手術が容易、などです。
さらにEVO+ Visian ICLは有効光学部が大きくなっているため、瞳孔径の大きな症例(特に若年者)において夜間の見え方(グレア・ハロー)が改善されます。まだ度数に限りがあるものの、国内在庫は従来モデルから新モデルEVO+に順次切り替わるので、当院でも今後はEVO+を用いることになります。屈折矯正の分野はどんどん進化しますね〜。

先週末は毎年恒例のまつりつくば。天気予報とは異なりどうにか土砂降りは免れ、相変わらずの人出でした。まつりつくば2016
週明け火曜は定例出張手術(水晶体再建術)。先日水曜は硝子体茎離断術(増殖糖尿病網膜症)〜水晶体再建術。明日金曜はPTK(顆粒状角膜ジストロフィー)〜水晶体再建術の予定。
もうすぐ秋の学会シーズン到来。手術・勉強と頑張ります ♪

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Emixustat(エミクススタト)

夏期休診明け早々、水曜はレーシック、金曜は水晶体再建術多焦点を含む)〜硝子体茎離断術(特発性黄斑前膜・増殖糖尿病網膜症)。皆さん経過良好でなによりです!

本日は、米国で開発中のEmixustatエミクススタト)という経口内服薬について。
Emixustatは視サイクル(ロドプシン代謝:網膜内で光信号を電気信号に変換する一連の流れ)を制御(モジュレーション)することで有害副産物の産生を抑制するという、全く新しい発想の薬剤です。
視覚サイクルとは….簡潔に述べると、網膜内で物質が代謝され様々な修飾を経てまた最初の物質に戻る…これを永遠に繰り返すことで光を感じ続けられるわけです。ずっと走り続けると筋肉内に乳酸が蓄積するように、ずっと光を感じ続けていると有害副産物が網膜内に蓄積してしまう。であれば、光に対する感度が高い桿体細胞を休ませる(エネルギー消費を抑制する)ことで、視覚サイクルの動きを調整し網膜を保護すればよいのではないか。アキュセラインク社はこのような発想のもと、エミクススタトの開発に至っていました。
網膜のみに作用するため全身の副作用は確認されておらず、また内服薬という扱いやすさが非常に魅力的な薬剤です。現時点では治療法のない萎縮型加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの網膜疾患へも応用が期待されていました….がしかし…臨床第2b/3相試験のトップラインデータが発表され、なんと萎縮型加齢黄斑変性への有用性が確認されなかったとのこと….。これによりアキュセラインク社と大塚製薬との共同開発・販売の契約が終了し、アキュセラインク社の株価は急落。

全く新しい発想の、しかも経口内服薬ということで少し期待していましたが…有用性が確認されないのでは残念ながら仕方ないですね。糖尿病網膜症に対する臨床試験は継続されるとのこと。今後どうなることやら…

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