月別アーカイブ: 2023年4月

個人情報

先々週は,レーシック×6〜PTK(顆粒状角膜変性)〜硝子体茎離断術(黄斑前膜・水晶体完全脱臼)〜iStent inject W 挿入術(緑内障)×3〜水晶体再建術(IOL強膜内固定・両眼同日・連続焦点トーリックを含む)。
先週は,前後転術(部分調節性内斜視)〜水晶体再建術(両眼同日・連続焦点トーリックを含む)〜iStent inject W 挿入術(緑内障)〜眼瞼下垂手術〜出張手術(鉾田病院)。
今週は,水晶体再建術(両眼同日・連続焦点・IOL交換を含む)〜iStent inject W 挿入術(緑内障)〜眼瞼下垂手術〜出張手術(笠間眼科)。

昨今,以前は起こりえなかった特殊強盗事件が相次ぎ報道されています。SNSで闇バイトを募集する側,応募する側の双方に問題があることは明白ですが,そもそも個人情報が漏洩しなければ当該被害者がターゲットとなる可能性は低かったかもしれません。
確定申告・資産などのすべての個人情報を有する役所からの漏洩は大問題です。中央官庁職員が誤ってメールで第三者に送信….でもこれは悪意はないので,今後気をつけてもらうしかありません。
一方で地方自治体,とくに市町村役所からの漏洩…..市民の個人情報(離婚歴や病歴など)を市職員が個人メールで揶揄…..言語道断ですね!

昔話になりますが,知り合いから「お子さん産まれたんですね。もう名前知ってます。」と….さらに「△△さんは,☆☆☆の◇◇◇院で,※※※※…..。」と….場が一瞬で凍ったことを今も鮮明に覚えています。
出生届と出生証明書から市役所職員は容易に情報を得られるようですが,興味を持って調べない限りわからないはず。今なら完全にアウトですねー。

権限IDを有する職員は仕事の一環としてPC画面を自由に閲覧できますので,知り得た個人情報を第三者に漏らす=「漏洩」でしょう。コピーしようものなら起訴案件ですが,役所内で市民の個人情報に関して話題にすることは通例だったりするのでしょうか…。だとしたら,個人のモラルの欠如は勿論のこと,職場環境にも問題があるかもしれません。

医療機関受診時の保険証がマイナンバーカードに切り替わろうとしています。従来の保険証と異なり,今後は患者の意向を問わず,他のすべての医療機関への受診・投薬状況まで把握可能となります。これも極めて重要な個人情報であることは間違いなく,役所のみならず医療機関もその保護責任の重要性を改めて認識する必要があるでしょう。

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Vuity

先週は,ICL近視矯正手術(LASIK後)〜硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術(両眼同日・連続焦点・LASIK後を含む)〜前後転術(外斜視)×2。
今週は,ICL近視矯正手術×4〜レーシック×4〜PTK(顆粒状角膜変性)〜水晶体再建術(両眼同日・連続焦点を含む)〜眼瞼下垂手術×4。
皆さん経過良好です。

本日は Vuity について。
Vuity は,2021年10月にFDAに認可された,老視(老眼)治療として初めての点眼薬です。新たに開発された最新の薬剤….ではなくピロカルピン点眼薬(1.25%)なので,非常に歴史のある縮瞳薬です。認可当初は1日1回の点眼回数でしたが,効果は12時間未満。重篤な副作用のないことが確認され,1日2回の点眼回数がつい先日認可され,理論上はこれで効果が終日継続することになります。軽い副作用として近視化と暗黒感が挙げられますが,いずれも一過性で心配ありません。

ピロカルピンは副交感神経刺激薬,一方でアトロピンは副交感神経遮断薬。いずれも非常に単純な薬理作用で,とても歴史のある薬剤です。
眼科領域におけるアトロピン点眼は,古くは弱視に対するpenalizationとして使用され,最近では近視進行抑制効果が周知されています。
一方,ピロカルピン点眼は,縮瞳(ピンホール効果)と水晶体厚の増加(調節力の増強)にて焦点深度が増す,つまり老眼が少し改善するわけです。

この古くて新しい?老視点眼治療が国際的にどの程度受け入れられるか,非常に興味深いですね。

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