iStent infinite

先週は,レーシック×8〜ICL近視矯正手術iStent inject W 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(連続焦点トーリック・両眼同日を含む)〜眼瞼下垂手術×4。
今週は,iStent inject W 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(連続焦点トーリック・両眼同日を含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です。

本日はiStent infiniteについて。
国内外におけてMIGS(低侵襲緑内障手術)が全盛の昨今,主流はiStent inject W(ステント2つ)ですが,さらにステントが3つに増えたiStent infiniteがつい先日FDAに承認申請されました。

当然ながら眼圧はさらに下がりやすくなり,より小型化したことで手術はさらに侵襲性に。
また,iStent inject Wは白内障同時手術を要しますが,iStent infiniteは単独手術でOKのようなので,汎用性が非常に高いと考えられます。
PRESERFLO microshuntマイクロシャントiStent infinite,本邦での認可が待ち遠しいですね。

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ワクチンパスポート

先週は,レーシック×6〜ICL近視矯正手術硝子体茎離断術(裂孔原生網膜剥離)〜水晶体再建術(連続焦点・両眼同日を含む)〜眼瞼下垂手術〜出張手術(笠間眼科)。
今週は,レーシック×6〜ICL近視矯正手術×4〜水晶体再建術(連続焦点・両眼同日を含む)〜翼状片切除術〜出張手術(鉾田病院)。
皆さん経過良好です。

米国眼科学会(AAO)は毎年開催される世界最大の臨床系の国際眼科学会で,日本はもとより世界中の眼科医が参加します。2020年はCOVID-19のpandemicによりvirtual開催でしたが,今年は11月にNew Orleansで通常開催される予定です。今年度は,マスク装用は勿論のこと,現地参加者全員にCOVID-19ワクチン接種の証明が必要(メーカーを問わず,2回目接種から2週間以上経過)となりました。COVID-19に罹患の既往がある人でさえ,現地参加するにはワクチン接種が要求される徹底ぶりです。
そもそもワクチン接種済みでないと米国に入国できませんが,米国在住ですら現地参加には接種が必須条件となった訳です(未接種であってもオンライン参加への変更は勿論可能)。

眼科のみならずすべての診療科において,米国では当面これが主流となるのでしょう。
本邦でもワクチンパスポートの議論は始まっており,また大きな波が繰り返されるようであれば,国内でも同様な対応が求められるかもしれません。

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斜視手術

先々週は,ICL近視矯正手術硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜iStent inject 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(連続焦点・両眼同日を含む)〜前後転術(内斜視)〜眼瞼下垂手術〜睫毛内反手術(埋没法)〜出張手術(鉾田病院)。
先週は,レーシック×6〜ICL近視矯正手術水晶体再建術(連続焦点を含む)〜下斜筋後転(下斜筋過動)〜前後転術(外斜視)。
今週は,ICL近視矯正手術水晶体再建術(連続焦点を含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です。

初診時から斜視手術を希望されての受診がちらほらと見受けられます。
私がレジデントの頃は,研修医1年目半ばの麻酔科ローテート終了後,1年目後半に眼瞼睫毛内反手術および斜視手術,2年目前半に翼状片手術,2年目半ばに白内障手術の執刀開始。その後は技量に応じて緑内障濾過手術・網膜復位術・硝子体手術の執刀開始といった順序でした。斜視手術は眼科の初歩的な基本手術であるにもかかわらず,なぜか斜視手術を行う施設が非常に少ない…。

現在の白内障手術は5分程度で完結する手術であり,国内で年間160万件という,他の手術とは比較にならない圧倒的な件数を誇ります。よって,白内障手術は眼科手術の代名詞となっていますが,裏を返せば,どこの眼科でも行っている手術(多焦点IOLを除いて)であることも周知の事実です。
近視と斜視の有病率とでは比較になりませんが,レーシック・ICL手術希望の患者さんが集まるのと同様に,需要と供給のバランスから,自ずと斜視手術希望の患者さんが受診されるのかもしれませんね。

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コロナワクチンと角膜移植後拒絶反応

先週は,レーシック×6〜iStent inject 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(連続焦点トーリックを含む)〜出張手術(笠間眼科)。
今週は,ICL近視矯正手術エクスプレス挿入術(落屑緑内障)〜水晶体再建術(IOL脱臼・緑内障術後・連続焦点を含む)〜前後転術(内斜視)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です。

COVID-19の眼症状として当初から結膜炎が指摘されていますが,これは自然治癒するので心配ありません。一方,角膜移植術後においてCOVID-19に伴う拒絶反応の報告がなされ,移植術後症例にてこれを見逃さないことは非常に重要です。
ウイルスに対する免疫応答により移植後拒絶反応が惹起されるということは,ワクチン接種後でも同様な状況が危惧されます。事実,頻度として非常に稀ではあるものの,帯状疱疹ワクチンやインフルエンザワクチン後に角膜移植後拒絶反応を惹起したとの報告があります。

新型コロナワクチンにおいては,mRNAワクチンに伴う角膜移植後拒絶反応の海外報告がすでに3報あり,投薬にて拒絶反応は沈静化し,再移植を要するほど重症には至らなかったとのこと。RNAワクチンの有効性の表れと考えられ,今後もさらに報告数が増えるのは間違いないでしょう。
角膜移植に限らず,全身の臓器移植後の患者さんには同様のリスクがありますが,日本移植学会の現時点でのワクチン接種方針は「臓器移植患者がCOVID-19を発症した場合の予後は不良であるため,予防が重要であることからワクチン接種を推奨」となっています。

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無症状者の前房内コロナウイルス

先々週は,ICL近視矯正手術×4〜水晶体再建術(緑内障エクスプレス術後を含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
先週は,レーシック硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術
今週は,硝子体茎離断術(PDR-VH)〜水晶体再建術眼瞼下垂手術〜出張手術(鉾田病院)。
皆さん経過良好です。

マイアミのBascom Palmer眼研究所から発表された興味深い論文があります(AJO5月号)。
コロナ禍の昨年,全身症状なし且つ鼻腔内抗原検査陰性の前眼部手術患者 31 名において,手術開始直後に前房水を採取しreal time RT-PCR にて解析したところ,6 名(19.4%)SARS-CoV-2 viral RNA 陽性が判明。その6名全員が,その後1年間の観察において全くの無症状だったとのこと。
眼内(前房)は特殊な免疫特権(immune privilege)下にあるが故と考えられる,非常に貴重な報告です。

米国内の2020年感染拡大の最中でのデータなので,そのまま本邦には当てはまりません。
また,一般的な白内障手術の切開創幅は2.0〜2.2mm程度であり,手術中に漏れた前房水がエアロゾル化してオペ室内での二次感染リスクが上がるような心配はないものと推察されます。
にしても,無症状者での眼内コロナウイルスRNAの証明は,時節柄インパクト大ですね。
他国での追試報告が期待されます。

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