シロリムス(sirolimus)・ラパマイシン

先々週:レーシック硝子体茎離断術(ERM)〜水晶体再建術(EDOFを含む)。
先週:硝子体茎離断術(PDR)〜水晶体再建術〜出張手術(笠間眼科)。
今週:レーシックPTK(顆粒状角膜変性)〜水晶体再建術(両眼同日を含む)〜眼内異物除去(IOL完全脱臼)〜前後転術(外斜視)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です!

本日はシロリムス(sirolimus・別名ラパマイシン)について。
似たような名前のタクロリムス (tacrolimus)は筑波山の土壌から分離されたのに対し、シロリムスはイースター島の土壌から分離されたマクロライド系化合物。抗腫瘍作用(リンパ脈管筋腫症 LAM:ラパリムス)、免疫抑制作用、さらにマウスでは寿命延長作用を有することも報告されており、色々な可能性を秘めている薬剤のようです。

シロリムスの硝子体注射が非感染性汎ぶどう膜炎に有効であることは、以前から報告されていました。ぶどう膜炎に対する治療薬として2017年にFDAに申請されたものの、承認は保留となり、臨床データの追加提出を求められていました。
そして今月のAAO(シカゴ)にて、非感染性汎ぶどう膜炎に対する同薬剤の有用性が改めて報告されました。硝子体注射に伴う一般的合併症以外には大きな副作用もなく、局所投与のためか安全性は比較的高いようです。FDA認可も近いかもしれませんね。

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N Engl J Med

先々週:レーシック水晶体再建術(両眼同日・多焦点5件を含む)〜翼状片切除術〜出張手術(笠間眼科)。
先週:水晶体再建術(PTK後・EDOFを含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
今週:ICL挿入術レーシック硝子体茎離断術(PDR)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜眼球内容除去術(絶対緑内障での角膜穿孔)〜出張手術(鉾田病院)。
皆さん経過良好です!

先週末は臨床眼科学会に出席。あまりトピックはなく、総括的な講演を拝聴。
レギュラトリーサイエンスに関するシンポジウムではPMDA理事長自らがご講演され、模範的な臨床研究の実例として、京都府立医大での「水疱性角膜症に対する培養角膜内皮細胞移植」を挙げられていました(2年前に当ブログにて掲載した「不可思議なROCK inhibitor」の内容です)。本年3月にN Engl J Med誌にその有用性が報告され、医師主導治験として現在進行形とのこと。

これまでN Engl J Med誌に国内の眼科グループで掲載されたのは下記5篇のみ。
・重症眼表面疾患に対する角膜上皮幹細胞移植(坪田先生・慶應大;1999年)
・培養自己口腔粘膜上皮細胞シート移植による角膜再生(西田先生・大阪大;2004年)
・増殖糖尿病網膜症における網膜血管新生因子としてのエリスロポエチン(高木先生・京都大;2005年)
・黄斑変性に対するiPS細胞由来網膜色素上皮細胞シート移植(万代先生・理化研;2017年)
・水疱性角膜症に対するROCK阻害薬を用いた培養角膜内皮細胞注入(木下先生・京都府立医大;2018年)

本庶佑先生の「nature誌、science誌の9割は嘘。10年経ったら残って1割」は言い得て妙ですが、N Engl J Med誌の掲載論文に関しては、時が経っても色あせずおよそ真実が多いと思われます。

常識は覆るもの。時が経ち、過去の常識を科学が覆したとき、やはり「嘘だった」とは言えません。とはいえ、さすがにSTAP細胞の「嘘」が覆えることはないと思いますが……。

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開院5周年

台風一過の本日、開院5周年を無事迎えることが出来ました!
診察券番号35224を昨日発行し、開院後5年間で3万5千人強の新規患者様にご来院頂きました。受診されたすべての患者様、そしてスタッフに日々感謝です。

これからも引き続き、個別化屈折矯正手技ISEE治療レーシックICLオルソケラトロジー)〜プレミアム白内障手術硝子体手術(MIVS)〜緑内障手術(MIGS)〜眼瞼下垂手術斜視手術抗VEGF療法など、最先端かつ最良のテーラーメイド医療を提供し続けます!

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35年ぶり

先々週:レーシック硝子体茎離断術(MH・RRD)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜眼瞼挙筋短縮術(眼瞼下垂)〜前後転術(恒常性外斜視)。
先週:硝子体茎離断術(MH×2)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜出張手術(笠間眼科)。
今週:レーシック硝子体茎離断術(RRD)〜水晶体再建術(両眼同日を含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です!

連休中は日帰りで久しぶりに日光へ。

あいにくの天気のなか瀑布3つを制覇。華厳の滝にはなんとEVが…こりゃ楽ですね〜。


そして綺麗にお化粧直しされた東照宮へ。
今は鳴き龍の下で自分で手を叩いてはダメなんですね〜。昔はパンパンと叩いたような…。

タイムアップにて大谷資料館(勇者ヨシヒコ)はまた次回へ持ち越し。
岩魚と湯葉懐石を堪能後、大渋滞の帰路へ。
さすが世界遺産。混んでましたねえ〜外国人も日本人も。
紅葉の時期に近づいてはダメかも…(^^;)。

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MIGS devices

先々週:硝子体茎離断術(PDR)〜水晶体再建術(トーリックを含む)。
先週:硝子体茎離断術(RRD)〜水晶体再建術(EDOF・matureを含む)〜出張白内障手術(鉾田病院)。
今週:ICL挿入術レーシック硝子体茎離断術(ERM・PDR)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜眼瞼挙筋短縮術(眼瞼下垂)〜出張白内障手術(笠間眼科)。
皆さん経過良好です!

週末は製薬会社主催講演会に出席するため都内へ。

MIGS(micro-invasive glaucoma surgery)に用いられるshunt deviceは続々と世に出ています。
iStent(Glaukos)・CyPass Micro-Stent(Alcon)・Xen Gel Stent(Allergan)のみならず、本年6月にiStent inject(Glaukos)、先月にはHydrus Microstent(Ivantis)もFDAに認可されました。
さらにiDose(Glaukos)やiStent Supra(同)もFDA承認待ちの状態です。


そして今週、過当競争となりつつある状況の最中、Alcon社がCyPass Micro-Stentの世界市場から撤退する意向である、と発表されました。理由は、5年間の中期臨床成績において白内障単独手術と比較し有意に角膜内皮減少率が高いことが判明したためです。脈絡膜上腔に触れることに消極的な眼科医は少なくないと思われ、撤退は必然だったのかもしれません。
MIGSは眼圧下降に限界があるものの、簡便性と安全性が売りです。その原点に回帰すれば、生き残るデバイスは…自明かもしれませんね。

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