氷山

先週火曜:出張白内障手術(鉾田病院)。
水金:レーシック水晶体再建術(両眼同日・EDOF・トーリックを含む)。
今週火曜:出張白内障手術(笠間眼科)。
水木:斜視手術(外斜視)〜硝子体茎離断術(黄斑円孔)〜水晶体再建術(両眼同日・EDOFを含む)〜埋没法(睫毛内反)。
皆さん経過良好です!

今は昔、国立大ではあり得ない話ですが、ごく一部の私立医大における裏◎入△は驚くに値せず。
いつ頃からでしょうか….国公立大との難易度格差がやや縮小傾向となり、そのような悪い噂話も減りつつあったのですが…。

いまだに存在することに驚くと同時に、氷山の一角では? と疑念は深まるばかり。
地検はどこまで踏み込めるか…一罰百戒で終わってしまうのか…。

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JSCRS 2018

先々週はエキシマレーザー表層角膜切除術(顆粒状角膜変性)〜硝子体茎離断術(近視性網膜分離)〜水晶体再建術(EDOF6件を含む)。
先週火曜は出張白内障手術(鉾田病院)。
水木でレーシック硝子体茎離断術(黄斑円孔・IOL脱臼)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜眼瞼下垂手術
今週火曜は出張白内障手術(笠間眼科)。水曜に水晶体再建術(EDOFを含む)。
皆さん経過良好です!

週末はJSCRS総会出席のため、東京国際フォーラムへ。
一昨日金曜はopen forumのspeakerとして登壇。

夜は帝国ホテルのfaculty dinner(会長招宴)に出席。
昨日土曜はアンケートWG特別報告にて登壇。壇上で感謝状を頂きました!

今回の主な内容:
◆ 以前も当ブログに掲載したIC-8 IOL:
EDOF(Extended depth of focus)IOL症例は当院でもかなり増加していますが、回折型・プログレッシブ型(Miniwell Ready)・small apertureIC-8、と話題がどんどん変化。
IC-8のメリットは以前書いたとおり、基本的に単焦点なので夜間のグレア・ハローが生じにくい・1.5Dまでの軽度乱視は無視可能・円錐角膜なでの不正乱視でも裸眼視力良好・従来のようなモノビジョンとは異なる、など利点は多く、患者満足度は極めて高いようです。
◆ IOLの度数計算式としてBarrett式の人気が急上昇。
特に長眼軸長眼にてUniversal Ⅱ式、LASIKなどのsurface ablation後にTrue K式は有用。
◆ 多焦点IOLのゆくえ…
次回の診療報酬改訂時に先進医療から外れるかも? 外れるとすれば選択肢は、単焦点IOLと同点数での保険収載・IOLだけ患者負担とする選定療養(広義の混合診療)・完全な自由診療に逆戻り、のいずれか。官僚曰く、保険診療とするには多焦点IOLが非常に優れているという高いエビデンスが求められるとのことで、現在進行中の多施設研究の結果に期待。
◆ フェムトセカンドレーザー白内障手術の今後…。
米国では急増しているが、日本では数%。これまでは多焦点IOLの先進医療の材料費として計上が可能だったが、2018年4月以降は同計上での申請は不可。通常の白内障手術と比較しての大きなメリットが証明されていないので、いわゆる「広告」としてのみ機能しているのが現状。
◆ Topoguided-CXL:
クロスリンキング(CXL)の円錐角膜の進行予防に対する有効性は実証済み。さらに個々の角膜形状に合わせたトポガイド照射によるカスタマイズド CXLは、進行予防のみならず、屈折矯正効果による視機能向上も有するとの報告。
◆ 多焦点 SCL の近視進行抑制効果:
海外報告によると、2 重焦点SCL群では単焦点SCL群と比較して、59%の近視進行抑制と52%の眼軸長伸長抑制を達成。近視進行抑制用多焦点SCLとしてMiSight 1 day(クーパービジョン社)がCE マークを取得。
EDOFタイプの老視用SCLとして市販化されているNaturalVue Multifocal 1 Day(Visioneering Technologies 社)が、海外のレトロスペクティブ研究において学童の近視進行抑制に有効。

学童に対し、夜間でなく日中に多焦点SCLを装用させ、近視進行抑制効果は約5割……これをどのように解釈するか。positiveにとらえて試す価値はあるでしょうが、実臨床としては、無効だった学童に対しどのようにfollowすべきかが鍵でしょうね。

学会はとても勉強になり、そしてとても楽しい時間でした。

本日最終日は早々に引き上げ、ハン・ソロを鑑賞。
ソロの名前の由来はそうだったのか〜、チューバッカの年齢って…えっ?……こちらもとっても面白かったです!

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Lanosterol(ラノステロール)

先週火曜は出張白内障手術(鉾田病院)。
水木でレーシック水晶体再建術(EDOFトーリック・両眼同日を含む)。
今週火曜は出張白内障手術(笠間眼科)。
木曜はICL近視矯正手術〜水晶体再建術(EDOFを含む)。
皆さん経過良好です!

本日はLanosterol(ラノステロール)について。
水晶体は主にクリスタリンタンパク質で形成されており、水晶体タンパク質間の相互作用が破壊され凝集すると白内障が発症します。これまでに水晶体の透明性を維持する内科的治療法は確立されておらず、現在の唯一の根本治療は混濁水晶体の外科的除去(水晶体再建術)のみです。
Lanosterol(ラノステロール)はラノステロール合成酵素(LSS)よって生成され、元々水晶体に多く含まれている物質です。海外の先天白内障2家系においてLSS遺伝子に点突然変異が確認され、ラノステロールのin vitro実験(摘出水晶体に高濃度で浸透)ではウサギ白内障の重症度が改善し、同薬のin vivo実験(高濃度硝子体注射)ではイヌ白内障の重症度が改善したとの報告がなされました(Nature523:607-611, 2015)。

「白内障は手術しなくても治る時代が来るかも?」とNature誌に発表されたのです。
しかし…..論文での手法は眼内注射ですし、そもそも点眼薬にするのはとても難しい薬剤ですから、実用化は難しいだろうと囁かれていました。論文発表からもうすぐ3年…..各国で追試が行われているものの、再現実験がうまくいっていないようです。海外ではなぜかペット犬の白内障への点眼薬として市場に出ているようですが……?

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