有水晶体眼内レンズ(フェイキックIOL)近視矯正手術
ICL認定医である院長が執刀します。
2017年開始以降の豊富な手術実績を有しています!
<上記認定証をクリック👆すると,製造メーカーのスタージャパン社にアクセスされます>
有水晶体眼内レンズ(フェイキックIOL)は、角膜を切除することで近視を矯正するレーザー屈折矯正手術(LASIK・PRKなど)とは異なり、専用のレンズを眼内にインプラントすることで屈折度数を矯正するという画期的な屈折矯正手術です。
角膜表面を切除することなく眼内にレンズをインプラントするため、レーシック不適応(強度近視・円錐角膜・角膜厚が薄い)の方やレーシック術後の再近視化の方でも手術を受けることが可能です。
また、通常の白内障手術に用いられる単焦点眼内レンズとは全く異なり、水晶体を残したまま眼内レンズを挿入するため、調節力が失われることはありません。
※屈折矯正手術としてレーシックとICLが有名ですが、それぞれ全く異なる手術です。
どちらがご自身に合っているのか?など、診察時に詳細をご説明させて頂きます。
ICL™に関する詳しい説明
ICL™とは
ICL™(Implantable Collamer Lens)は、数種類あるフェイキックIOLのなかの1つで、STAAR Surgical社が商標登録を持つ製品名です。
1997年にEU承認、2005年に米国FDA承認、本邦では2010年2月にPMDAより有水晶体後房レンズとして承認されました。国内で認可されているフェイキックIOLはICL™だけです。
ICL™はSTAAR Surgical社の米国工場にて製造、その後スイスにて包装され、日本も含め世界各国に在庫が置かれています。希望度数のレンズが国内欠品の際には、スイスから空輸あるいは受注生産となります。
2024年3月の時点において、全世界でのICL™インプラント数は累計300万眼を突破しています。
光学部中央に貫通孔を設けることで房水流動の維持を可能とする新しいICL「KS-AquaPORT(通称 Hole ICL™)」が日本において開発され、2011年にEUにて承認、2014年3月に国内PMDAより薬事承認を取得しました。
さらに2016年9月に光学部径がより大きく設計されたEVO+ Visian ICL™が発売開始となり、当院ではこのレンズを使用しています。
※【注意喚起】※
同じくICL(Implantable Contact Lens)と称しながら、実はICL™(Implantable Collamer Lens)とは全く異なるフェイキックIOLも流通しています。ICL™と比較し安価な価格設定のことが多く、素材が異なるため、将来的な合併症のリスクが懸念されます。将来的な不安を解消するためにも、使用レンズ(メーカー・正式名称)について、しっかりと説明を受けることをお勧めします。
国内未承認(低度数)ICL™について
ICL™は、レーシック適応外の強度近視のみならず、非常に軽度の近視も適応があります。2024年時点において、国内(STAAR Japan社)承認のICL度数は-3.0D以上ですが、海外(STAAR Surgical社)では-2.5D以下、さらには遠視にも対応可能です。よって、国内承認ICLでは対応不能な軽度近視の場合は、医師の個人輸入という形式にてSTAAR Surgical社に発注することになります。過去にICLの国内承認度数が-6.0Dから-3.0Dに拡大された経緯があり、さらなる低度数ICLも承認されることが期待されています。
※ここで示す近視度数はICLのレンズ度数であり、コンタクトや眼鏡の度数とは異なります。
【入手経路】
国内承認ICL: オンライン発注 → 国内代理店経由 → STAAR Japan社の在庫保管所から輸送
国内未承認ICL: オンライン発注 →(代理店を介さず)スイスのSTAAR Surgical社から直接空輸
【海外安全性情報】
ヨーロッパでは強度遠視〜弱度遠視〜弱度近視〜強度近視まで、広く承認されています。
さらに、-3.0D以下の低度数(国内未承認)ICLにおいては、レーシック後の再近視化症例1)を含め、その有用性と安全性は中等度から強度数ICLと同等であることも報告され2)、広く周知されています。
1) Posterior chamber phakic intraocular lens implantation after laser in situ keratomileusis. Eye Vis (Lond). 2022 Apr 11;9(1):15.
2) A Nationwide Multicenter Study on 1-Year Outcomes of Posterior Chamber Phakic Intraocular Lens Implantation for Low Myopia. Front Med (Lausanne). 2022;9:762153.
STAAR Japan社は STAAR Surgical社 傘下の日本法人です。
国内承認ICLも未承認ICLも同じSTAAR Surgical社製であり、度数の違いだけで品質には何ら相違はありません。
Hole ICL™の具体的な有益性
レーシックと比較すると費用はやや割高になりますが、一方で下記のように様々な利点があります。
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強度近視・レーシック後でも矯正可能
Hole ICL™は角膜表面を切除することなく眼内にレンズをインプラントするため、レーシック不適応(強度近視・円錐角膜・角膜厚が薄い)の方やレーシック術後の再近視化の方でも手術を受けることが可能です。
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患者様に負担の少ない手術法
角膜を削ることはないため、手術侵襲は非常に軽微です。
小さく折りたたんだ状態のレンズを挿入するため創口は3mmと小さく、術前後で眼球強度にほとんど差がありません。
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必要に応じてレンズの交換も可能
レーシックの場合は一度手術を行うと元の状態に戻すことは不可能ですが、Hole ICL™は万が一合併症を起こしてもレンズを取り出せば元の状態に戻すことが可能ですし、屈折変化や誤差が生じた場合でもレンズの入れ替えが可能です。
ICL™のリスクについて
● グレア・ハロー
レーシックより軽度ですが、手術後に暗いところで光をみたときに、非常にまぶしく感じてみえにくくなったり(グレア)、光の周囲に光の輪がみえたりすることがあります(ハロー)。
⇒ ICL術後に特に感じるのはハローですが、ハローで夜間見えづらいと訴えられる方は少なく、多くの方は時間と共に気にならなくなります。
● 感染症
ICLは眼内手術ですので、術後感染をおこす可能性は全くのゼロではありません。これまでの調査で6,000眼に1例ほどの割合で、白内障手術でのリスクと同等またはそれ以下です。ICLによる術後感染は、適切に処置をすれば重篤な後遺症を残すことは稀であることも分かっています。
⇒ 術後感染症を起こさないために、術前後の抗生剤の点眼が非常に重要です。
● 再手術について
非常に精度が高い手術であるため、多くの人が手術後に眼鏡やコンタクトレンズに依存せずに裸眼で生活できるようになります。しかし、術前検査の誤差や予測精度の問題で全ての人が裸眼生活に必要な視力になるとは限りません。そのため手術後に近視や乱視が残ったり、または時として遠視になる場合があります。
⇒ そのような際にはICLの交換をすることで裸眼視力を更に向上させることが可能です。
● ICLのsizingについて
ICLには、度数とは別にsizeが4種類あり、術前に計測した眼の大きさに合わせて適切なsizeを決定します。Sizeが合わないまま長期的に放置すると、角膜内皮障害や白内障を併発する可能性があります。
⇒ ICLのsize決定には複数の計算式があり、様々な検査結果を組み合わせることでこの問題は解消されています。
● 再近視化
ICL手術を受けたことによって近視の進行が止まるわけではありません。手術を受けなくても、長期間の経過で近視や乱視の度数が変化することがあります。
⇒ レーシックと比較すると近視の戻りは弱いとされています。ICL手術後長期間経過して度数が合わなくなった場合は、ICLの交換手術に再調整することが可能です。
● 眼精疲労
過矯正は眼精疲労の原因となるため、術前検査で目標度数を遠視にならない度数に設定することが重要です。過矯正にならなければICL手術が眼精疲労の原因になることは無いと考えられますが、普段から眼精疲労になりやすい方は術後も同様になる可能性があります。
⇒ 過矯正に関しては十分な時間をかけての精密検査で予防可能です。元々眼精疲労が強い方は診察時にご相談ください。
● 老眼との関係
よくICL・レーシックなどの近視矯正手術をすると早く老眼になると言われますが、決してそのようなことはありません。近視矯正手術は屈折度数を±0にすることが目標ですが、過矯正の遠視になってしまうと、早い段階で老眼を自覚することになります。
⇒ 繰り返しになりますが、過矯正に関しては十分な時間をかけての精密検査で予防可能です。
● 白内障
中心部に孔が無い以前のモデルのICLでは1.1〜5.9%で白内障が起こるとされていましたが、中心部に孔がある現在主流のhole ICLでは白内障の発生率は0.49%と非常に低いことが報告されています。ICLは近視が強い方が受ける事が多く、近視が強い方は白内障が起こる年齢がそうでない方に比べて若いことが知られています。このため、長期の経過の中で起こる白内障はICL手術によるものか加齢によるものかはっきりしない場合もあります。
⇒ ICL手術後に加齢などで白内障になった場合は、ICL摘出と白内障手術とを同時に行うことが可能です。多焦点眼内レンズを挿入すれば老眼も同時に克服可能です。
● 緑内障
ICL手術を行うと術後一過性に眼圧が上がる可能性はありますが、術後長期に緑内障のリスクが高くなることはありません。
⇒ 元々近視が強い方は緑内障の発症リスクが高いことが分かっており、術前検査で緑内障のリスクなども同時に検査します。
Hole ICL™の手術手技
Hole ICL™適応条件
- 年齢21歳以上、およそ45歳位まで(46歳は応相談)
- 術前球面度数:−18.0Dまでの近視
- 術前円柱度数:4.5Dまで
- 角膜内皮細胞密度最低値
年齢21~25歳 2800個/mm2以上 年齢31~35歳 2400個/mm2以上
年齢26~30歳 2650個/mm2以上 年齢36~45歳 2200個/mm2以上
Hole ICL™が受けられない方
- 年齢が21歳未満の方
- 前房深度が2.8mm未満の方、散瞳不良の方
- 角膜屈折矯正手術歴のある方(場合によっては可能:応相談)
- 妊娠中、又は授乳中の方
- 重篤な全身疾患(重篤な糖尿病、膠原病など)をお持ちの方
- コラーゲンに対する過敏症
- その他、全身的、眼科疾患を伴うこと等を理由として医師が不適当と判断した方
費用(完全自費)について
下記の費用総額には、術前検査費用・手術費用・術後3カ月間の診察・検査・お薬代のすべてが含まれます。
乱視の有無、および国内承認度数か否かでICL™レンズ価格が異なり、同様に費用総額も異なります。
精密検査時に総費用が確定しますが、適応検査時にも概算額の提示は可能です。
通常のHole ICL™手術(国内承認度数) |
両眼の費用総額 |
両眼とも乱視なし |
60万円(税別) |
片眼のみ乱視あり |
62.5万円(税別) |
両眼とも乱視あり |
65万円(税別) |
※国内未承認(極めて弱い)度数の場合:
海外からの個人輸入となり、為替手数料・関税・FedEx空輸費用が別途発生するため、上記に加えて片眼につき税別5万円の追加差額が生じます。
よくある質問
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貴院での手術実績はどのくらいありますか?
当院では2017年1月にICL手術を正式に開始し、すべて院長が執刀しています。
近年のICL手術件数は月に約10〜12件、年間で約120〜140件程度であり、レーシック件数を凌駕する勢いの増加傾向にあります。
海外でのレーシック手術後の再近視化症例に対する手術など、豊富な手術経験を有しておりますので、ご安心下さい。
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レーシックとICLのどちらにしようか迷っているのですが.....どうしたらよいでしょうか?
レーシックとICLは全く異なる手術で、それぞれ利点・欠点があります。
どちらも適応がある場合、いずれかのみ適応がある場合、いずれも適応がない場合など、適応も個々により大きく異なります。
適応の有無も含め、どちらがご自身に合っているのかに関しては、適応検査もしくはカウンセリング検査時に詳細をご説明させて頂きます。
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Hole ICL™の主な適応条件は、どういったものですか?
近視を有する21~およそ45歳位まで(46〜50歳は応相談)の方で、白内障・緑内障・網膜疾患など、近視以外の目の病気を患っていない方です。
※詳細は適応検査にてお調べいたします。
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コンタクトレンズを使用していますが、術前検査の前に何か準備は必要ですか?
コンタクトレンズの圧迫によって角膜に付いた跡を本来の状態に戻すため、手術前の一定期間、コンタクトの装用を止めていただいています。
レンズ跡はゆっくりと元の状態に戻るため、ある程度の期間が必要です。
ハードコンタクトレンズ : 約3週間
乱視矯正ソフトコンタクトレンズ : 約2週間
ソフトコンタクトレンズ : 約1週間
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手術後に視力に変化が起きた場合どうすれば良いですか?
レーシックと比較すると再近視化率は低いとされています。
もし再手術が必要と考えられる場合は、Hole ICL™の交換、または別の屈折矯正手術をうけることが可能です。
毎日のケアは全く不要ですが、手術後3ヶ月までは月1回、それ以降は年1回の定期的な検査をお勧めします。
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手術後、いずれ白内障が進行してきた場合どうすれば良いですか?
Hole ICL™手術を受けた後でも、白内障手術を受けることは全く問題ありません。
また、事前にHole ICL™を摘出する必要はなく、Hole ICL™摘出と白内障手術を同時に行うことが可能です。
多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を受ければ、老眼も克服可能です。
※他院でのIPCL(ICLとは異なる素材)挿入後の白内障併発例に対する手術経験も有しておりますので、ご安心下さい。
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Hole ICL™は何製ですか?
Hole ICL™は、コラマー(HEMAを主成分とする含水性ポリマー)という素材から作られており、コラーゲンを含むことで眼内での生体適合性を向上させています。生体適合性を向上させることで、長期にわたって炎症を抑制し、細胞付着などを防ぐことが可能となります。
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入院が必要ですか?
ICL™手術は診察など含めてトータル約2時間で帰宅できる日帰り手術です。入院は不要です。
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クレジットカードでの支払いも可能ですか?
はい、可能です。取扱カード会社の詳細は、受診時に受付にてご説明いたします。
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医療費控除の対象となりますか?
本人または家族(生計を共にする親族)が支払った医療費が1月~12月の一年間で10万円を超えた場合、確定申告によって税金の還付を受けることができます。よってHole ICL™手術は医療費控除の対象となります。
確定申告の時期まで、当院が発行した手術費用の領収書は大切に保管して下さい。
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