緑内障」カテゴリーアーカイブ

開院4周年

今週木曜は硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離)〜水晶体再建術(トーリックを含む)。
金曜は硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術(トーリックを含む)。
皆さん経過良好です。

秋晴れの本日は開院4周年記念日!
昨日9月末で診察券番号29139を発行しました。開院後4年間で3万人近くの新規患者様が来院されたことになります。受診されたすべての患者様、そしてスタッフに日々感謝です。

明日からも引き続き、プレミアム白内障手術硝子体手術(MIVS)レーシックICL手術緑内障手術(MIGS)眼瞼下垂手術斜視手術抗VEGF療法オルソケラトロジーなどなど、最先端かつ最良のテーラーメイド医療を提供し続けます!

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 院長(佐藤正樹)ブログ 本日も視界良好!のトップページ

AI

今週はレーシック硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術(多焦点を含む)。
皆さん経過良好です!

週末は日眼総会に出席のため国際フォーラムへ。
しかし学会参加は副目的であり、主目的はJSCRS会合および理事会でのご挨拶、そして明日も会合…忙しい…。

今回も器械展示会場は盛況。
AI人工知能)テクロノロジーは、チェスや将棋の世界のみならず、医療分野でも著しい進歩を遂げています。眼科領域においても、円錐角膜診断・オルソケラトロジー適応判定などでは、確率を%で表示してくれるAI診断技術は必須です。すでに日常臨床で広く実用化されており、自院でも大変お世話になっています。
最新のアイトラッキング機能付きのネビゲーション網膜レーザーも然り。医師は足でペダルを踏むだけ…眼科医不要では?と思えるほど簡単…(^^;)。価格は大分下がり定価で2,000万弱…いやいやまだ高い!相変わらず眼科手術機器はどれもこれも高額ですね〜。

時は20XX年….必ずそうなるであろうと予想される、近未来の眼科診療です。
1)法令推奨の年1回定期眼科検診。
ロボット受付嬢による自動受付。患者は検査機器台に顎をのせるだけ。全自動での屈折・眼圧検査および全眼球三次元撮影。緑内障・黄斑変性のリスクなどがフルオート解析。
低リスク判定➡診察なしで(人間に会わずに)帰宅。
高リスク判定➡Dr診察➡投薬。

2)緑内障の経過観察。
眼圧モニタリングコンタクトレンズ(スマートコンタクト)装用、もしくはモバイルデジタルトノメーターでの自己眼圧チェックが一般化。眼圧日内変動データを持参のうえ定期受診。これまでの検査データ(眼圧・網膜神経線維層厚・視野MD値など)により、進行リスクのみならず点眼薬変更の是非などもすべてAIが示唆。
このように、眼科慢性疾患(正常眼圧緑内障など)における眼科医による定期診察の必要性は間違いなく低下します。

人は必ず忘れますが、AIにはそれがありません。よって、過去の論文データをインプットさせれば、診断能力において人がAIに勝てるはずがありません。現に、東大の人工知能「ワトソン」の前ではひれ伏すのみ…。AIの進歩が社会に大きく貢献することは明白ですが、眼科のみならず、手術治療を行わない医師にとっては死活問題となるでしょう。

詰まるところ、いつの時代でも自己研鑽に励むのみ、ということなのでしょうね。

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 院長(佐藤正樹)ブログ 本日も視界良好!のトップページ

モバイル CXL

今週水曜はレーシック
木曜は緑内障手術Experss・エクスプレス挿入術)。
金曜は硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術
皆さん経過良好です!
来週水曜は硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術結膜腫瘍切除術。
木曜は、水晶体再建術翼状片手術〜眼瞼下垂手術〜眼瞼皮膚弛緩手術、の予定。

本日は最新のCXLcorneal collagen cross-linking)について。

CXL角膜クロスリンキング)は、リボフラビン(ビタミンB2)を含ませた角膜に紫外線(UV-A)をあてることで、角膜の強度を増して角膜の前方突出を防ぐ手法です。進行性の円錐角膜に対する有効性は海外にて実証されており、2016年4月にFDAで承認。国内PMDAではまだ未承認ですが、世界中にて急速に普及しつつあります。
2003年に初めて報告されたCXLの原法は、角膜上皮を取り除き(Epi-off)、リボフラビンを浸透させて紫外線を30分間照射する方法(conventional CXL)で、最初に提唱したドレスデン大学の名前をとって、ドレスデン・プロトコールと呼ばれています。角膜上皮を取り除かずにリボフラビンを角膜に浸透させて紫外線を照射する方法(Epi-on)や、高出力の紫外線を用いることで照射時間を短縮させる方法(accelerated CXL)も登場しています。

近視の進行予防を目的として、角膜でなく強膜へのCXLは有効との海外報告もあります。しかし健常眼への照射は倫理的に問題があり、ただの近視に対してはおそらく普及しないでしょう。

さらに、正確な因果関係はまだ不明であるものの、CXLが感染性角膜潰瘍に対しても有効であると報告され始めています。通常のCXLと目的を区別するため、PACKCXLPhotoactivated Chromophore for Keratitis-Corneal Collagen Cross-Linking)と呼ばれます。あくまで治療抵抗性の難治症例に限ってのものですが、治療の選択肢が増えることは喜ばしい限りですね。

CXLにおける紫外線照射機器は複数ありますが、いずれも比較的大きく、またオペ室にて仰臥位での治療を行う必要があります。
ところが近年、診察室にて座位での治療が可能な装置が登場しました( C-Eye Device、EMAGine AG、Switzerland)。どこの眼科でもあるスリットランプ(診察室にて眼を診察する器械)にアタッチメントとして装着するだけの、とてもシンプルで小さな器械です。
数分間スリット台に顎をのせるだけで施術終了!
CEマークは2017年に取得予定。FDAは勿論未承認であるため、国内承認はほど遠いと考えられますが、将来的には診察室での治療が当たり前となると思われます。

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 院長(佐藤正樹)ブログ 本日も視界良好!のトップページ

ミケルナ

今週木曜はレーシック
金曜は水晶体再建術(二焦点を含む)〜結膜嚢部分形成術(眼窩脂肪ヘルニア)。

皆さん術後経過良好です!
水曜はレーシックPTK・エキシマレーザー角膜混濁除去術。

木曜は水晶体再建術(二焦点を含む)〜結膜嚢部分形成術(眼窩脂肪ヘルニア)の予定。

昨日は診療後にミケルナ発売記念講演会に出席するため都内へ。

全国から620名余りの眼科医が招待されており、発売記念品・ホテル諸々、メーカー側の期待の高さが窺えました。

これまでにもPG関連薬(ラタノプロスト・タフルプロスト・トロボプロスト)とβ遮断薬(チモロール)の合剤はいくつかありますが、そのβ遮断薬はすべて「チモロール」でした。
ミケルナ配合点眼薬」はPG関連薬(ラタノプロスト)とβ遮断薬(カルテオロール)の合剤で、カルテオロールを用いた合剤(1日1回点眼)はこれがです。さらに防腐剤フリーであることは大きなメリットです。

短期的眼圧下降作用としては、一般的にカルテオロールはチモロールに劣ると考えられています。しかしチモロール長期投与において、徐々に眼圧が上昇してくる症例をしばしば経験します。そのような場合は他の薬剤に変更する必要性が出てきますが、ミケルナは変更薬剤の第1候補といえるでしょう。
また、チモロールの眼表面麻酔作用および防腐剤の影響にて角膜が傷つくことがありましたが、ミケルナではその懸念も払拭されました。
さらに、他のどのPG+β配合点眼薬よりも薬価が安い!
2剤を上手に配合したことにより防腐剤フリーとなり、様々な特許を取得できたとのこと。そのため、双方とも比較的歴史のある薬にもかかわらず、なんと今後15年以上は後発品が出ないそうです。

古くて新しいミケルナ配合点眼薬、おそらくかなりシェアをのばすものと考えます。

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 院長(佐藤正樹)ブログ 本日も視界良好!のトップページ

MLT

今週水曜は硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離・黄斑前膜)〜水晶体再建術
金曜も硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術(二焦点・トーリックを含む)。
皆さん経過良好です!

年の瀬は何かと忙しく、久しぶりの更新です。
以前、黄斑浮腫に対するマイクロパルス閾値下レーザーについて書きましたが、本日はマイクロパルスレーザー繊維柱帯形成術MLT:MicroPulse Laser Trabeculoplasty)について。

点眼薬のみでは眼圧下降が不十分な緑内障に対し、濾過手術を行う前に選択的レーザー線維柱帯形成術SLT)が行われる場合があります。
しかしながら、
①専用のレーザー装置が必要(しかも高額)
②線維柱帯を意図的に破壊するため、術後に急激な眼圧上昇を起こす症例もある
③徐々に眼圧が再上昇し、再治療が必要となる場合が多い
などの理由から賛否両論あり、一般的普及には至っておらず、点眼薬で不十分な場合にはすぐに濾過手術が行われることも少なくありません。

一方、MLTは、
①網膜光凝固用のマイクロパルスレーザーと併用可能であり、新たな装置を必要としない
②熱効果であるため、線維柱帯細胞を破壊しない
③眼圧が再上昇しても、何度でも追加施行が可能

濾過手術を上回る効果が得られないのは当然ですが、点眼薬の次の一手としてはいいでしょうね。当院ではTOMEY製IQ577レーザー(マイクロパルスモード搭載)を採用しているので、MLTの効果を早速検証してみたいと思います。

来週はレーシック硝子体茎離断術(糖尿病硝子体出血・黄斑前膜)〜水晶体再建術の予定。
頑張ります!

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ