翼状片
翼状片とは、結膜(しろめ)の一部が目頭(めがしら)の方から黒目に入り込んでくる病気です。原因として高齢者では紫外線との関連が指摘されていますが、デスクワークの若年症例もあり、いまのところはっきりとした原因は不明です。
「白目の一部が黒目に伸びてきた」というような症状で受診される人がほとんどで、進行してくると充血や異物感などの症状を伴います。翼状片自体は悪性の組織ではなく、症状がなければ放置しても問題はありません。翼状片が瞳の近くまで伸びてくると乱視が発生して裸眼視力が低下してくるため、そのなる前に手術をした方がよいでしょう。
手術を行っても再発することもあり、この傾向は年齢が若いほど顕著です。再発防止策として一部正常結膜の方向を変えて縫合する手法(有茎弁移植)が一般的であり、当院でも全例この方法を用いています。
また、目の外傷・熱傷・化学眼外傷・角膜潰瘍などの回復過程で、翼状片に似た病状が出現することがあり、これを偽翼状片と呼びます。治療は翼状片に準じて行われます。
翼状片の手術前後