眼瞼痙攣
眼瞼痙攣(がんけいけいれん)は、瞼を閉じる筋肉(眼輪筋)という筋肉が、自分の意思とは無関係に痙攣する病気です。症状は、まばたきが増えたり、まぶしさを感じたりすることから始まり、症状が重くなるとまぶたが開かなくなって、目が見えない状態にまで進んでしまうこともあります。まぶしい光やストレスにより、症状は悪化します。年代的には40~70歳代に多く発症し、特に女性に多くみられます。
通常は両眼性ですが、片眼性の場合もあり、唇にも異常を感じるケースもあります。片眼性で徐々に悪化する場合は、顔の表情筋を動かす顔面神経が痙攣している可能性が考えられます。
この病気の原因はよく分かっていませんが、症状を緩和させるために、ボトックス(A型ボツリヌス毒素)眼瞼注入を行うのが一般的です。美容業界ではシワ取りなどにも使用されていますので、ご存じ方も多いと思います。A型ボツリヌス毒素は食中毒の原因として知られていますが、ごく微量の毒素はけいれんを生じさせている神経の働きをおさえるのです。実際には、痙攣しているまぶたの筋肉の6〜7箇所にごく少量注射します。
注射をすると数日でけいれんの減少がみられ、1ヶ月くらいで最も効果が高まり、その後通常3~4ヶ月間は効果が続きます。一定期間経過後に注射前の症状が再びあらわれてきたら、再注射が必要となります。
「片目の下まぶたがピクピク痙攣して、なかなか治らない」といった症状で受診される患者さんも多くいらっしゃいます。これは、睡眠不足やストレスなどによる一過性の神経の興奮と考えられ、このほとんどは一過性の症状であり、多くはいつの間にか自然に治ってしまいます。これは真の眼瞼痙攣とは異なりますので、心配ありません。
「まばたきが多くなってきた」「まぶしさを感じるようになってきた」などの症状が再び出てきたら、お早目にご相談ください。
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